西側世界は近年混乱が続き、2016年以降、そして最近はさらに深刻になっている。米国は政界の争いが激化し、社会的分裂が深まっている。欧州は中東難民が押し寄せ、ほぼ全ての国の政局を混乱させている。西側諸国でテロが今日ほど立て続けに起きていることはない。債務危機、金融危機、福祉危機によって多くの市民の実際の生活水準は長期間停滞し、下がってすらいる……(文:張維為・復旦大学中国研究院院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
これと鮮明なコントラストを成すのが「中国のガバナンス」だ。わずか数10年で、中国は西側とは異なる方法で急速に台頭した。とりわけ第18回党大会以降、習近平氏を核心とする党中央は戦略を定めて指揮を執り、国政運営は全く新たな構造を呈し、国全体の政治的揺るぎなさが固まり、経済力、科学技術力、国防力、国際的影響力が新たな段階へと進んだ。中国の知恵、中国のノウハウ、中国の理念は急速に世界に広まり、グローバル・ガバナンスの難題解決に中国の案を示している。
グローバル化が深まり続ける中、西側に混乱と停滞が生じる一方で、中国が安定的発展を実現しているのはなぜか?様々な理由の中で、とりわけ注目されるのが中国の制度的優位性だ。
習近平総書記は指摘した。「中国の特色ある社会主義制度は現代中国の発展と進歩の根本的制度保障であり、鮮明な中国の特色、明らかな制度的優位性、強大な自己整備能力を備える先進的制度だ」。まさに中国の特色ある社会主義の制度的優位性のために、中国はグローバル化の過程における花形となり、圧倒的多数の中国人はその受益者となったのだ。
政治制度。中国には民衆全体の利益を代表する政治勢力があるが、西側諸国にはない。西側の政党は「一部の利益の党」であり、各政党は各集団の利益を代表する。したがって、国の政策は揺れ動き、各政党間、各利益集団間でしばしば引き裂かれる。一方、中国共産党は誠心誠意人民に奉仕する党であり、中国の近代化事業において全局を総覧し、各者を調整する指導中核としての役割を発揮している。