中韓関係、「決められた運命」は存在せず

中韓関係、「決められた運命」は存在せず。

タグ:中国 韓国 THAAD

発信時間:2017-08-29 13:40:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 今年は中韓国交樹立25周年だ。この25年を振り返ると、中韓関係は全体的に安定を維持し、大きな成果を手にし、両国友好協力の基礎を固めた。しかし中韓関係が近年、深刻な課題を迎えていることは間違いない。中韓関係は今後いかに発展するか、これは我々が研究と回答を切に必要としている問題だ。

 

 現代中韓関係の発展は、冷戦終結後に始まる。旧ソ連解体に伴い、世界で敵視・対抗しあっていた両極構造も最終的に崩壊した。これを背景とし、中韓両国は1992年8月24日に正式に大使クラス外交関係を結び、両国が互いに認めず隔絶されていた長い歴史に終止符を打った。それから中韓関係は急成長した。

 

 ところが安全情勢の悪化に伴い、中韓関係に齟齬が生じ始めた。朝鮮の核ミサイルの脅威を懸念し、米韓は2016年7月8日に高高度防衛ミサイル「THAAD」の韓国配備を決定した。しかしこの決定には、中国政府からの猛反発があった。これが半島非核化の目標達成を促すことはなく、半島の平和と安定の維持に資さず、対話と協議により問題を解消する各国の取り組みに背き、中国を含む地域諸国の戦略的安全の利益と地域の戦略的バランスを著しく損ねるからだ。中韓関係の政治面の悪化は、直ちに経済関係の急転直下を引き起こした。中国税関当局の統計データによると、2016年の中韓貿易額は2525億7600万ドルで、前年比で8.4%も減少した。

 

 中韓関係がこれにより、国交樹立以降の歩み寄りの流れから離れ、背を向け合うことになるのだろうか。冷戦末期に撮影されたSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作は、次の分かりやすい道理を教えてくれる。未来は決まったものではなく、自分の手に握られているものだ。中韓関係もそうで、「決められた運命」は存在しない。未来がどうなるかは、今日の選択にかかっている。25年前の選択により、中韓両国は25年に渡り絶えず歩み寄り、友好協力を深め続けるという現実が生まれた。我々は今日、再び選択の十字路に立たされている。

 

 中国の指導者は中国周辺の政策について論述した際に、「友人は選べるが、隣人を選ぶことはできず、代々とつき合っていかなければならない。理性的にも感情的にも、我々は隣人と友好的に付き合うことが正しい選択だと考える」と指摘したことがある。朝鮮の核問題とTHAAD問題により、中韓関係には大きな起伏が生まれている。中韓両国の交流強化により、プラスのエネルギーを積極的に注ぎ込み、両国関係の健全な発展を促すことが必要だ。

 

 中韓は次の分野で共に取り組み、両国関係の安定的な発展を促進できる。まず戦略的な相互信頼と政策の連携を強化し、第3者による仲を裂く干渉を回避する。次に危機管理の制度の制定を強化する。それから安全分野以外の協力を推進し、安全分野の協力の条件を整える。

 

 中韓は現在、多くの分野(黄海の漁業権をめぐる係争、映画・テレビ文化など)で齟齬と衝突が生じており、両国関係が絶えず悪化している。我々はこれらの問題の解決、もしくは「凍結」により、さらなる発酵と悪化を防ぐことで、流れを変える必要がある。(筆者:梁亜濱中共中央党校国際戦略研究院准教授、盤古シンクタンク高級研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年8月29日


TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで