ロイター社の28日の報道によると、米国のシンクタンク「新アメリカ安全保障センター」(Center for a New American Security)は同日に発表した報告書で、中国は現在、急速に発展する人工知能技術を利用して軍隊の近代化を実現しているとの見方を示した。同センターの専門家のカニア(Elsa Kania)氏は報告書で、「米国と比べても、中国はすでに技術的に遅れたポジションにはなく、本当の意味で米国と肩を並べて発展しており、人工知能分野での実力は米国を超えている可能性さえある」と記している。
報告書はまず、米国で最近開催された顔認識技術のコンテストを例として挙げている。このコンテストでは、搭乗のためにタラップをのぼる乗客をどれだけ顔認識できるかが競われた。その結果、依図科技(Yitu Tech)という名の中国のスタートアップ企業が最高賞を獲得し、2万5千ドルの賞金を手に入れた。報告書は、米中間の人工知能分野での競争は、「(両国の)未来の経済と軍事の実力のバランスを変えることになるかもしれない」と指摘している。
ロイターの報道によると、人工知能は、戦場を様変わりさせる軍事的な用途を生む可能性があると考えられている。例えば、機械学習技術の一部はすでに、無人機で撮影された映像のうちの重要な要素をコンピューターで選別するペンタゴンのプロジェクトに応用されている。この技術は、人間による分析の仕事を減らすものとなる。この報告書は公開資料を引用し、中国軍も現在、人工知能とかかわるプロジェクトの研究に投資していると指摘している。
カニア氏は、人工知能の発展が初期状態にあることや各国のこれをめぐる政策から、この報告書の大部分の内容が推測であることを認めている。だがその一方、カニア氏によると、中国の一部の軍事理論家は、機械による意思決定の速度や進度に人類が追いつくことのできない「技術的特異点」へと未来の戦場が近付きつつあると予想しているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月30日