中国人科学者は新型「クラゲ粉砕機」の試験を行っている。近海腔腸動物の中国の空母への脅威を減らそうとしている。香港紙・南華早報(電子版)が28日に伝えた。
中国科学院南中国海海洋研究所の研究員によると、中国の近海では近年、大型クラゲが大量発生している。これらの無脊椎腔腸動物の大量発生は、民間船の網を詰まらせ破壊するばかりか、空母の空気圧縮機の取水口に入り、冷却システムの詰まりを起こし、空母ガスタービンの過熱や稼働停止を引き起こしかねない。空母フィルター及びパイプ内の、クラゲの死骸の粘着性残留物を取り除くためには、数時間さらには数日間かかることもある。
試験中の「クラゲ粉砕機」には数百メートルの巨大網が含まれ、その間には鋭いカッターが取り付けられている。同設備は海上作業中、船の曳航によって前進し、急流の力を利用しクラゲを網の中に入れ、特定海域内のクラゲを3センチ以下に切り刻み、空母の安全な道を切り開く。科学者によると、クラゲ粉砕機は海域内の大型クラゲしか取り除くことができず、仮に繁殖期のクラゲを切断すれば大量の受精卵を放出し、クラゲ発生を深刻化させることになる。研究者は中国海軍に対して、クラゲ発生早期警戒システムを構築し、近海のクラゲ発生をリアルタイムで観測・予測・回避し、空母艦隊の航路を合理的に計画するよう提案した。長期的に見ると、漁獲を制御し海洋生態バランスを維持し、天敵の力を借りることでクラゲ発生を減らすべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月30日