利己的な米国、自国と他国を害する

利己的な米国、自国と他国を害する。

タグ:米国 気候変動 パリ協定

発信時間:2018-01-15 13:06:57 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 新年早々、米国各地が寒波に見舞われ、一部の地域では100年ぶりの低温持続日数が記録されている。米国政府は先ほど発表した報告書の中で、2017年は米国の気象災害による損失が最大の一年だったとした。温暖化と間違いなく関連しているハリケーン「ハーヴィー」は、米ヒューストンに「世界最後の日」のような壊滅的な被害をもたらした。2017年通年のハリケーン、山火事、寒波による経済損失は過去最大の3060億ドルに達した。

 

 しかしながら今後数年、さらには20−30年に渡り、米国が気候変動により想像し難いほどの損失を被る可能性が高い。ネイチャーの『Scientific Reports』が昨年9月に掲載した記事によると、米国東部沖の海面が毎年平均3ミリ上昇しており、東海岸が徐々に大西洋に没しようとしている。この流れが続けば、米東海岸の都市と経済に、大規模な洪水の頻発といった深い影響が生じることになる。しかもこの影響は近年すでに確認されており、今後20−30年に渡りさらに深刻化する。

 

 ところば2017年は、米国が気候変動対応で最大限に後退した年でもある。トランプ大統領はパリ協定離脱を正式に発表した。トランプ大統領の支持者らは、同協定は米国のエネルギー資源面の能力を制限しているとした。エネルギーは米国経済の重要分野であり、パリ協定の責任と義務を守ることで米国の経済成長が妨げられるというのだ。米国政府は(2017年だけではなく)長年に渡る気象災害により、どれほど大きな経済損失が生じたかを計算するべきだ。

 

 世界最大の大国である米国は、目先の経済の利益だけを重視するのではなく、人類へのやさしさを示すべきだ。米国は孤立しておらず、この世界を構成する一員だからだ。米国は気象災害が自国と世界にどれほど大きな損失をもたらしているか目にするべきだ。

 

 人類文明は大自然の何十億年もの発展の中で生まれた、か弱い花だ。これが存在するためには、大自然という巨大なシステムが人類の生存に適した特定のバランスと状態を保つ必要がある。地球の平均気温は、自然システムのバランスと状態を反映する重要なデータだ。このバランスと状態が臨界点を突破すれば、気候変動の「量的変化」が生じ、「質的変化」が生じることになる。これは自然システムにとっては一つの流れに過ぎないが、人類にとっては生死、文明の存亡を左右する根本的な問題だ。 


 気候変動の量的変化が急激に質的変化に向かおうとしており、重要な時期に差し掛かっている。世界各国が協力し、誠意を持って国際協力を展開できなければ、人類文明の生存と発展を大きく脅かすことになる。(筆者・馮昭奎中国社会科学院栄誉学部委員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月15日


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