米国のマティス国防長官が22日夜にインドネシアの首都ジャカルタに入り、1週間の東南アジア歴訪を開始した。次の目的地はベトナム。メディアの報道によると、マティス国防長官はインドネシアとベトナムの防衛当局者と会談し、南中国海問題に言及する可能性がある。多くのメディアは、マティス国防長官の今回の歴訪の重点は中国と見ている。
22日付シンガポール華字紙・聯合早報は「中国が台頭し、米国が2018年の国防戦略を発表するなか、マティス国防長官はインドネシアとベトナムの軍事面の協力強化に期待している」と伝えた。AFP通信は「マティス国防長官は今回、中国の隣国を訪問する。中国を念頭に置き、主権や尊重に関する重要な情報を伝えるためだ」と分析した。
中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院アジア太平洋社会文化研究室主任の許利平氏は22日、環球時報の記者に対して「マティス国防長官がこの時期にインドネシアとベトナムを訪問するのは、南中国海行為準則の交渉と関連している。昨年のASEAN首脳会議で、南中国海行為準則枠組みが確認された。今年上半期にはベトナムでさらに交渉を進めることになる。今回の交渉には具体的な内容が含まれるので、米国は影響力を発揮しようとしている」と指摘した。
許氏は「南中国海は、インド洋から太平洋に至る重要な通路、中心的な海域だ。米国がインド太平洋戦略を本当に実現しようとするならば、南中国海は飛び越せない海域だ。そのため米国は南中国海の中心的な国との二国間軍事協力を強化することで、いわゆるインド太平洋戦略の基礎を固めようとしている。しかし南中国海の情勢やパワーバランスには、大きな変化が生じている。米国がどう考えようとも、中国の地域における影響力が拡大を続けているという、無視できない事実がある。南中国海周辺諸国はより実務的になっており、自国の利益を着眼点とするため、軽率にどちらか側に肩入れすることはない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月24日