中米両国は現地時間19日に米ワシントンで、両国間の経済貿易協議について共同声明を発表した。習近平国家主席の特使として訪米した劉鶴副総理(中共中央政治局委員、中米包括経済対話中国側代表)は同日メディアのインタビューに応じた際、今回の中米経済貿易協議の最大の成果は双方が貿易戦争をせず、関税の相互引き上げも止めることで合意したことだと指摘した。人民日報海外版が伝えた。
■協議によって問題を解決
共同声明によると、中米双方は米国の農産物とエネルギーの輸出の増加、製造業製品及びサービス貿易の拡大、知的財産権保護の重視、相互投資の促進で合意。これについて上層部の意思疎通を継続し、各々の注目する経済・貿易問題の解決を積極的に探ることでも合意した。
中米は5月3、4両日に北京で経済貿易問題について初の協議を行い、緊密な意思疎通を継続することで合意した。同月17日、劉副総理率いる中国貿易代表団が米財務省で米側通商高官と第2回協議を行った。
米誌フォーリン・アフェアーズ電子版が予測したように、新たな交渉は双方にとって難しいものだったが、それでも米側は積極的なシグナルをより発した。
劉副総理訪米の発表前の13日、トランプ大統領はSNS上で、中興通訊(ZTE)に速やかな業務再開の道を開くべく中米が共に努力していること、米中の貿易面での共同作業は良好で、冷静になれば全てが解決可能であることを表明した。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストはこれについて、一種の譲歩であり、今後の貿易交渉に良い流れをもたらしうると指摘した。AFP通信も、中国への「和解の申し出」だとの考えを示した。
■協力・ウィンウィンが核心
「中米は世界第2、第1のエコノミーであるうえ、異なる発展段階にあり、経済方面で利益の補完性が高い。双方は貿易衝突後のすり合せと交渉の中でこの点を一層明確に認識した」。中国人民大学国家発展戦略研究院の李巍研究員は、今回中米が協議を経て合意に達した基礎及び根本的原因をこう指摘する。
共同声明の内容が良い例証だ。例えば、双方は米国の農産物とエネルギーの輸出を有意義に増加することで合意。米側代表団が訪中する際に具体的事項を話し合うとした。これは米国の貿易赤字の転換にプラスであり、中国国内の関係産業のコストを引き下げ、経済発展を促進するうえでもプラスだと分析される。
実は中米貿易摩擦勃発から1カ月近く経つと、米側は中国と協議する意思があるとのシグナルを様々な方法で外部に伝え始めた。
「実際には、米国の当初の目的は中国と本当に貿易戦争をすることではなく、脅かすシグナルを伝える、または極限まで圧力を加えるやり方で、貿易不均衡の転換に手を貸すよう中国を追い込むことを望んでいた」と李氏は指摘する。
米側にとって予想外だったのは、中国が貿易の圧力に怖じ気づくことはなく、反対にかつてない強力な反撃に出たことだ。
米ブルームバーグが16日に引用した研究報告は、米政府が中国製品に対する関税を引き上げることで、最も損害を受けるのは米国のハイテク産業だと指摘した。
4月10日のボアオ・アジアフォーラム年次総会開幕式で、習主席は自主的な開放拡大の新しい重大な措置を発表。「中国の対応措置によってトランプ政権は、テーブルについてよく話し合うことこそが、問題解決の最良の方法であることに気づいた」と李氏は語る。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年5月22日