中国中央テレビ(CCTV)は24日、中国の空母艦載機による夜間発着艦の映像を公開した。空母専門家の李傑氏は環球時報の記者に対して「これは中国の空母・遼寧艦の艦隊が、全天候作戦能力を初歩的に形成したことを意味し、実戦的能力をつけるため重要な一歩を踏み出したことを意味する。これにより中国は艦載機夜間発着艦技術を持つ、世界でも少数の国になった」と指摘した。
公式メディアが空母艦載機に夜間発着艦の能力があることを証明したのは今回が初。CCTVは「空母部隊はこの1年に渡り難関突破に取り組んで来た。艦載戦闘機は日中から夜間、単機から艦隊、技術から戦術といった数多くの突破を実現した。艦載戦闘機のパイロットと着艦指揮者が資格認定を受けた」と報じた。
夜戦は現代戦争を発動する中心的な手段だ。李氏は「夜間着艦能力を持つことは、艦載機パイロットの真の合格を意味する。艦載機が夜間発着艦能力を持ち、遼寧艦が全天候の作戦能力を形成すれば、初めて真の空母になれる」と話した。
艦載戦闘機が移動する空母で発着艦することは、その難易度の高さから「刃の上のダンス」と呼ばれる。夜間着艦は艦載機飛行訓練の中で、最もハイリスクな内容だ。夜の茫々たる大海原を移動する空母は、敵の発見を避けるため強い照明を使うことができない。艦載機が目にできる基準物も非常に少なく、パイロットはサーチライトと滑走路のシグナルランプなどを基準とし着艦するしかない。「夜間着艦の重要技術を把握するほか、夜間着艦の感覚をつかむため最も重要なことは、心の壁を乗り越えることだ」
李氏はCCTVが公開した艦載機による夜間発着艦の映像に基づき、この訓練に成功したパイロットは1人に留まらず、少なくとも4−5人はいるはずだと推測した。米露仏そしてかつての英国は艦載機夜間発着艦技術を持つが、中国も今やその一員に加わった。すでにパイロットが訓練に順調に成功しているが、李氏によると今後さらに複雑な気象条件下での夜間発着艦を練習しなければならない。もう一つ重要なのは、夜間発着艦能力を持つパイロットの増加だ。すべての戦闘力の形成は、数と関連性を持つ。十分な数のパイロットが同技術を把握して、空母は初めて全面的な作戦能力を形成できる。