習近平国家主席がロシアのプーチン大統領の招待を受けて11、12両日に同国ウラジオストクで第4回東方経済フォーラムに出席する。アナリストは今回の訪問について、中露包括的・戦略的協力パートナーシップの発展に新たな原動力を与え、地域の平和・安定、相互信頼・協力の新たなプロセスを開くと見ている。中国新聞社が伝えた。
■首脳間の友情が協力を先導
東方経済フォーラムへの中国国家元首の出席は今回が初であり、中露にとっては今年後半の最も重要な二国間上層部交流でもある。
中国外交部(外務省)によると習主席はロシア滞在中、一連の二国間行事、多国間行事に出席する。中でも最も重要なのがプーチン大統領との今年3回目の会談、調印式への出席、共同記者会見、プーチン大統領主催の歓迎パーティーへの出席だ。両国首脳は人的・文化、経済・貿易、地方など様々な関連行事にも出席する。
2013年3月、習主席が就任後初の訪問国に選んだのがロシアであり、クレムリン宮殿では中国の貴賓を盛大に歓迎。プーチン大統領が全日程に同行し、これは8時間に及んだ。2018年に新任期に入ったプーチン大統領も初の公式訪問先に中国を選んだ。
「両国が相手国の重大なイニシアティブと発展戦略を互いに支持し、両国首脳が相手国の開催する重大な行事に互いに出席していることは、両国関係の水準の高さを示すものであり、両国指導者間の深い個人的友情と仕事上の良好な関係をはっきりと示すものでもある。そして成熟し安定した中露関係は両国及び両国民の貴重な財産であるだけでなく、世界の平和・安定の重要な支えでもある」と外交学院のロシア専門家・高飛氏は指摘した。
■中露の包括的協力
中露両国の世論は中露包括的・戦略的協力パートナーシップについて、両国首脳が戦略的に先導し自ら推し進める中、史上最良の時期にあり、大国間、隣国間の付き合いの模範を築いたとの認識で一致している。
中国の李輝駐露大使によると、今年に入り中露包括的・戦略的協力パートナーシップはさらに積極的な発展の勢いを呈している。今年1-4月期の中露貿易の伸び率は中国の主要貿易パートナーの中で首位であり、年間の二国間貿易額は1000億ドルを超える見通しだ。中国とユーラシア経済連合は経済貿易協力協定を締結し、「一帯一路」建設とユーラシア経済連合の連携協力は重要な成果を挙げた。「中露地方協力交流年」は両国地方間の協力への熱意を一層かき立て、地方協力は分野と地域の全カバーをほぼ実現した。
ロシアにとって東方経済フォーラムは極東協力推進の重要措置であり、中露首脳も中露の極東開発協力の強化で合意している。ロシア極東地域にとって中国は現在最大の貿易パートナー及び投資元国だ。
華東師範大学国際問題研究所の陸剛所長によると、習主席のフォーラム出席は中露の包括的協力をさらに後押しする。特に中露の地方協力は地理的隣接の強み、関係範囲が広く運営方式が柔軟といった特徴がより顕著であり、両国の実務協力にとって重要な補完だ。
■地域協力の新空間
2015年にプーチン大統領が提唱した東方経済フォーラムは、次第にアジア太平洋地域が経済協力を深め、国際・地域問題を議論する新たなプラットフォームへとなっていった。「極東:さらに多くのチャンス」をテーマとする今回のフォーラムには、60数カ国から数千人が参加する。
習主席はフォーラム全体会議で挨拶を述べ、状況を見て他の行事にも出席するほか、関係国首脳と友好的交流を行う。
「習主席によるロシアでのフォーラム出席は、互恵・ウィンウィンの原則を堅持し、地域経済協力を強化し、貿易と投資の円滑化を推進し、人類運命共同体を共同構築することこそが、地域経済の発展推進における正しい選択であることを世界に示すものだ」と李氏は指摘する。
今年は中国の改革開放40周年であり、「一帯一路」イニシアティブを打ち出してから5周年でもある。高氏は、習主席の今回のフォーラム出席は、「一帯一路」建設とユーラシア経済連合建設の連携をさらに後押しし、地域経済統合協力に新たな空間を開拓すると考える。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年9月12日