「深夜に空港に駆けつけ立ち往生している同胞を見舞い、病院で命の危機にさらされている同胞を見舞い、失踪した親戚・友人の捜索を支援する」
携帯電話の電源は24時間オン、年中無休ーーこれは中国在外領事官の勤務の縮図だ。観光・ビジネス・留学・居住で欧州を訪れる中国人が近年増加している。これと同時に欧州の経済情勢や治安環境の悪化などの影響により、各種トラブルに見舞われ中国公館に支援を求める中国人の数も増え続けている。
駐ベルギー中国大使館は2018年、中国人の領事保護案件を300件以上処理し、ほぼ毎日処理していることになる。曹忠明駐ベルギー中国大使によると、これらの新たな状況と問題は、領事保護と協力の方法、サービスの改善に対してより厳しい条件を突きつけている。大使館はより多くのサービスを適時提供している。国内の統一手配により、「1回の訪問で終了」「1度ですべて通知」といった便利な措置を打ち出した。24時間領事保護電話受付制度の実施により、中国人からの救助要請に真っ先に対応した。パスポートを紛失した中国人に「グリーンルート」を設置した。
予防は最良の保護だ。サービス改善を続けると同時に、駐欧州中国公館は近年、予防と早期警戒を強化している。メカニズム構築で一定の経験を蓄積し、欧州に滞在中の中国人と機関に「平和の傘」を差している。
「スリ出没」「100%オーロラを観測できるという宣伝は嘘だ。泰山で日の出を見るように完全に運次第だからだ」昨年末よりユーモアあふれるフィンランド旅行領事保護短編動画が旅客機、動画サイト、領事保護サイトに登場している。また駐イタリア・マルタ公館による領事保護パンフレット「中国公民旅行ガイド」「マルタ旅行ABC」などの宣伝資料、留学生を対象とする領事保護キャンパス宣伝など、予防目的の領事保護宣伝が防護壁を築いている。
また各公館は中国企業、中国人密集地を定期的にパトロールし、欧州に進出した中国企業に緊急処置体制を構築・改善し、従業員の安全教育を強化するよう呼びかけている。
駐欧州公館はさらに所在国関連部門との連絡を強化し、各種連携メカニズムの構築を模索している。駐イタリア中国大使館はイタリアの警察・観光・医療・口岸などの機関との連絡と協力を強化している。今年10月末、駐イタリア大使館とフィウミチーノ空港は中国旅客緊急連絡メカニズムの運用を開始し、空港に中国旅客宣伝専用エリアを設置し、イタリアを旅する中国人の順調かつ安全な旅にさまざまな保障を提供している。
海外にいる中国人は、「困ったことがあれば公館を訪ねる」ことを覚えている。ところが中国人は海外で領事保護・協力を要請する際に、資源とマンパワーの浪費の回避に注意すべきだ。例えばマルタで車を運転していた女性はセルフ給油ができず、公館に電話で支援を求めた。関係者は、公民が領事保護と協力活動を十分に認識することで、初めて理性的な救助要請、外交機関による法に基づく協力という理想的な状況を形成できると指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年12月19日