米国はサイバー空間での戦争に備える計画を停止したことがない。2016年末、米国はサイバー戦争の戦略的地位と作戦価値をさらに引き上げ、戦略軍隷下に置かれていたサイバー軍を統合軍に格上げし、大統領―国防長官―作戦軍司令官というサイバー戦争指揮系統を構築した。現在米軍は133のサイバー戦争部隊を擁する。2006年から2016年までの10年間、米軍は相次いで大規模演習「サイバーストーム」やサイバー宇宙戦演習を計7回実施。うち3回は中国を念頭に置いたサイバー攻撃・防御作戦活動だった。
米国のこうしたやり方について、コロンビア大学の研究者でサイバーセキュリティー専門家のJason Healey氏は「すでに米国は永久のサイバー戦争に滑り込んだ。そこに真の勝者はいない」と非常に憂慮する。
米国は自らのサイバー戦争能力を強化し続けることで、世界に悪い手本を示した。もし他の国々または米国と敵対する組織も米国を真似てサイバー戦争能力の整備と手段運用を強化すれば、米国だけが被害を受けずにいることは絶対に不可能であり、反対に真っ先に攻撃目標となる可能性が高い。攻撃し合うことでサイバーセキュリティーを実現するのは不可能であり、サイバー空間が対抗をエスカレートし続ける後戻りのできない道を歩むことになるだけだ。
「人民網日本語版」2019年6月15日