板門店の朝米首脳会談、積極的なシグナルを発する

板門店の朝米首脳会談、積極的なシグナルを発する。

タグ:板門店 朝米首脳会談

発信時間:2019-07-01 14:41:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 韓国を訪問中の米国のトランプ大統領は先月30日に板門店にて、朝鮮の最高指導者である金正恩氏と握手し会談した。その後トランプ氏は軍事境界線を越えて朝鮮側を訪れ、朝鮮戦争休戦後で始めて朝鮮の国土を踏んだ米国の現職の大統領になった。


 朝米の目論見


 中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院の王俊生研究員は、朝米首脳の今回の板門店会談の裏側にはそれぞれの目論見があると判断した。


 米国にとって、ハノイにおける米朝首脳会談に結果がなかったため、国内では対話による朝鮮の核問題解決を疑う声が強まっている。トランプ氏は再び金氏と会談することで、対話による半島問題の処理を依然として願っていることを示した。次に、米大統領選が来年に迫っているが、トランプ氏は再任に向け会談によりポイントを稼ごうとした。


 王氏は、朝鮮側も対話による米国との関係改善の継続を願っていた。朝鮮国内では現在、戦略の重心が経済建設に移っている。米国との対話により国際環境に適した、朝鮮の経済発展実現に有利な戦略的目標を作ることができる。


 膠着状態を打破へ


 双方が核兵器放棄の流れと形式による溝を埋めがたいことから、2月のハノイにおける2回目の首脳会談には実質的な成果がなかった。今回の板門店における短い会談には、朝米の膠着状態を打破するための実質的な要素があっただろうか。


 韓国・慶熙大学校の朱宰佑教授(国際政治学)は「今回の会談は朝米が対話を続ける動力を維持し、かつ朝米首脳の対話による問題解決の意向・自信・柔軟性を示した。両首脳が今後の実務レベルの協議で共通認識を形成し、立場についてコミュニケーションを図ることを促す」と指摘した。


 王氏によると、今回の会談には主に2つの積極的な意義がある。まず、朝米の対話に新たな活力を注ぐことができる。今回の両国の首脳会談は時間こそ短かったものの、ハノイ会談の悲観的なムードをある程度払拭し、対話を引き続き正確な方向に進ませることができる。


 また、今回の会談には重要な象徴的意義がある。これまで米国のクリントン氏、ブッシュ氏、オバマ氏ら元大統領が南北非武装地帯(DMZ)を訪れたことがあるが、いずれも朝鮮に圧力をかけることが目的だった。ところがトランプ氏は今回、金氏と会談するため訪れた。これは対立から緩和に向かう朝米関係にとって象徴的な意義を持つ出来事だ。


 米シンクタンク「Center for the National Interest」の半島問題専門家は、今回の米朝首脳会談と、トランプ氏が南北軍事境界線を越えたことには「歴史的な意義」があり、朝米の相互信頼強化にとって極めて重要だったと判断した。今後は米朝の実務レベルの当局者が接触を続け、半島非核化及び平和枠組みの構築で協定案を形成できるかを見る必要があるという。


 ただし同氏は「米国は行動に行動で応じる原則が、半島問題にとって唯一の解決の道であることを認識する必要がある。米朝双方は同時の原則を守り、真の相互信頼を構築するべきだ」と指摘した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月1日

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで