中国国務院関税税則委員会は11日、米国からの輸入品16品目を17日以降追加関税の対象から除外すると発表した。条件を満たすものについては、すでに徴収した追加関税を還付する。これは大局に着眼した理性的措置だ。(人民日報「鐘声」国際論評)
貿易戦争に勝者はいない。中国側は貿易戦争を望まぬが、恐れもせず、必要時には戦わざるを得ないとの立場を一貫して堅持している。中国側の対抗措置は、米側が経済貿易摩擦を一方的に仕掛け、かつエスカレートさせ続けていることに対する正義の行動だ。関税除外リストの発表は、中米経済貿易摩擦への対処過程における中国側の一貫した理性的、自制的姿勢を体現している。中国側の対米対抗措置は対抗のための対抗ではなく、追加関税のための追加関税でもない。中国の関係当局は今年5月13日に対米追加関税商品の排除を試験的に展開して以降、有効な申請を逐一審査し、意見を聴取してきた。追加関税によって、企業が代替輸入品を探すのは困難か否か、関係産業に負の構造的影響が生じるか否か、国民生活の質に影響が生じるか否か。こうした問題が全て十分に考慮され、自国民と在中企業に対する中国政府の責任ある姿勢が示された。
米側の一部の者は中国が関税除外リストを発表したことを苦心して曲解し、「中国側が経済貿易摩擦の影響に耐えられないことの象徴」としている。彼らが表面的な事に目を奪われて全体像を把握できていないか、あるいは虚勢を張っているかであることは明らかだ。中国経済は十分な強靱性を備えており、外部からのいかなる挑戦も恐れない。中国は産業チェーンを完備している世界唯一の国だ。米側が追加関税によって、こうした産業チェーンを簡単に破壊するのは不可能であり、短期間にグローバル産業チェーンにおける中国の特殊な価値を一層際立たせるだけだ。米中ビジネス協議会(USCBC)が先日公表した調査結果によると、回答した米国企業の87%は中国から事業を移転する考えがない。米Rhodium Groupの統計によると、今年上半期の米国企業の対中投資は68億ドルで、過去2年間の同期平均と比べ1.5%増加した。
自国の事を断固として仕上げる。中国側は常に冷静さを保っている。質の高い発展を着実に推進し、引き続き開放を拡大し、ビジネス環境を改善し続ける。在中国米国商工会議所(AmCham China)のTimothy Stratford会長は先日「中国政府の市場開放に対するAmCham China会員企業の信頼は歴史的高まりを示しており、中国を自社の世界戦略における三大投資先の1つと考える会員企業が半数を超える」と述べた。高まり続ける中国市場の魅力は、米側の一部の者による非現実的な「経済的切り離し」幻想に対する力強い反撃だ。
中米経済貿易摩擦が生じてから1年以上にわたり、中国側は常に可能な事を全て尽くして、持続的で健全な経済発展のための原動力を強化し、国民生活の水準と質の向上のためにたゆまず努力してきた。事実が何度も証明しているように、中国としては外部で次々に現れる様々な不確定性を前に、理性的姿勢での対処を堅持し、自国の事をうまく処理することを鍵に、自国の安定性を維持することによって大局を安定させることが、最良の選択だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年9月12日