世界保健機関(WHO)新型コロナウイルス研究イノベーションフォーラムが11、12両日、ジュネーブ本部で開かれた。世界の300人以上の権威ある科学研究者(オンライン・オフライン)、公衆衛生当局者、研究支援機関の代表者らが一堂に会し、2カ月前は完全に未知だった新型コロナウイルスについて議論した。
WHOは6日、フォーラムの日程を発表した。やや唐突な開催と疑われたが、実際には前々から計画されていたことだった。2013−16年に西アフリカでエボラ出血熱が流行すると、WHOは「研究開発青写真」を策定した。この戦略は、感染症流行前に薬品とワクチンを開発し、感染期間中に研究開発活動を加速することを求めた。今回のフォーラムは、この青写真に基づき開かれた。
2日間の会議は全過程が非公開となり、いかなるメディアにも開放されなかった。情報によると、出席者は秘密協定に署名した。オンラインの出席者も、会議関連の画像やスクリーンショットを漏洩してはならない。WHOがこのようにしたのは、科学研究者に向け緩やかな環境を作り、外からの干渉を受けず自由に発言できるようにするためだったのだろう。
新型コロナウイルスが「最新」のものであることから、現在の感染対策は直ちに解決が必要な一連の難題に直面している。WHOのテドロス事務局長が開幕式で、「現在のところ新型コロナウイルスの中間宿主が何か、感染症の動力学がどのようになっているか、感染期間がどの程度になるか、どのサンプルを診断及び観測・治療に用いるべきか、重症者を管理する最良の方法とは何か、研究を展開する際にどのような倫理的問題に注意すべきかが明らかになっていない。また意識されていない、注意が必要な問題を見つけ出す必要もある」と発言した通りだ。
12日のフォーラム閉幕後、人々が期待したような具体的な回答は導き出されなかった。ただし操作しやすい診断方法、感染予防の最良の方法、患者の潜在的な治療法、既存の候補ワクチン、ワクチンの研究開発の進め方、感染症に関するデマと実情に合わない「情報の感染症」の問題への対応方法など、一連の研究の重点が列挙された。これらは出席者が認める、直ちに展開すべき重要な研究だ。
同時にWHOは引き続き統一的な協調力を発揮し、科学研究者が科学研究交流及び協力メカニズムを形成し、新型コロナウイルスの感染源の調査を掘り下げるよう促す。また新型コロナウイルスワクチン臨床試験の全体計画を作り、これらの臨床試験が協調・一致の方法により進められるようにする。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月14日