北京市ではこのところ、新型コロナウイルスの感染者が再び急増し、11日から14日7時にかけて、新たな感染者が計51人となった。14日、北京市政府の徐和建報道官は、「北京市ではこのところ連続して感染者とPCR検査で陽性とされた例が確認され、しかも全員が新発地卸売市場と関連していた。北京市は非常事態に入った」とした。
北京市の感染者急増は第2波の到来を意味しているのか?北京市は市民全員に対しPCR検査をする必要があるのか?この点について、国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チームのメンバーで、中国疾病予防管理センターの元疫学首席科学者の曾光氏が回答した。
曾光氏(資料写真)
現在の北京市の感染状況は第2波の到来を意味しているか?
第2波については現在も定量的な概念はなく、定性的な概念にすぎない。第2波の到来は我々の予防・抑制と大きな関係がある。今後数日間に感染者が増え、その後抑制されるというようなタイプは頓挫型第2波で、このタイプになる可能性が高い。しかも北京は第2の武漢にはならず、ウイルスの伝播が中国全土の多くの都市に及び、さらには都市封鎖を行うような事態にはならないだろう。
北京市は市民全員に対しPCR検査を行うべきか?
市民全員に対しPCR検査をする必要はないが、一斉検査の範囲を広げる必要はある。例えば新発地コミュニティ直営店やその他関連する団地やレストラン、食堂などの場所では、人や環境、食品など全てに対する検査を行う必要があるだろう。
現在、サーモンを食べることはできるか?
食べるには加熱調理が必要な牛肉や羊肉などと比べると、サーモンは比較的特殊で、生で食べられることが多い。現在のところはまだウイルスの伝播経路が不明であり、「人からサーモンに感染したのか、サーモンが先にウイルスに感染していたのか」は分かっていない。こうした問題がはっきりするまでは、サーモンを生で食べることはせず、検査結果を待つことを勧める。
一般市民の感染予防に関してアドバイスは?
マスクの着用など、これまで続けて来た良い習慣を今後も続けることだ。公園などの場所ではマスクは着けなくてもいいが、スーパーや地下鉄、教室など人が集まる空間ではしっかりマスクを着ける必要がある。それに手洗いもこまめに行い、毎日外出先から帰ったら必ず手を洗うこと。最後に皆さんに呼びかけたいのは、「緊張する必要はない。市政府の指揮に従い、疾病予防管理関係者と医師を信じてほしい」ということだ。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年6月15日