価値観の食い違い、ビジネス技術の対抗、軍事・外交の摩擦など、中米両国間の駆け引きはグローバル化の歩みに必然的に影響を及ぼす。スペイン紙『エル・パイス』が伝えた。
ピーターソン国際経済研究所の専門家であるゲイリー・ハフバウアー氏は、中米間の対抗は長期的に続くと判断した。
軍事力で同盟国を集める米国と比べると、中国はとても友好的だ。中国は「一帯一路」イニシアチブにより他国、特に発展途上国に幸福をもたらし、互恵の中で共に発展を目指している。
トランプ政権は最近、中国の関連政策を歪曲し、中国へのヘイトを煽り、いわゆる制裁を実施するといった一連の不可解な動きを見せている。これはそもそも緊張していた中米関係の火に油を注ぐだけだ。
中国は中米関係の膠着を願っていない。中米という2つの大国がすでに多くの領域で運命を共にしているからだ。ニューヨーク連邦準備銀行の報告によると、米国は昨年さまざまな手段により、対中貿易赤字を18%減らした。しかし実際には中米貿易紛争において、多くの米国企業が関税の影響により産業・サプライチェーンの調整を余儀なくされ、それによりコストが上がり利益が減った。実体の計算によると、中国との2年間の貿易戦争により、米国企業の資産評価が1兆7000億ドル減少した。
中国の王毅国務委員兼外交部長は今年7月9日、中米シンクタンク・メディア動画フォーラムに寄せたメッセージの中で、米国側に冷静を保つよう呼びかけた。また中米を無理に切り離すことはできず、相互尊重し、協力と互恵を実現すべきと強調した。
中米の競争はすでに経済・貿易競争から各領域に拡大している。米国は中国を最大の敵とし、軍備競争から5Gネットワークに至るまで全力で中国を「包囲」し、中国を中傷している。これは中国の台頭を阻止し、中国の国際舞台における地位と影響力を否定することが狙いだ。トランプ氏が11月の米大統領選で敗退したとしても、その後継者となる民主党のジョー・バイデン氏も中国への強硬姿勢を引き継ぐ可能性がある。
この大国間の駆け引きは、地政学、世界経済・貿易、通信技術などの各分野に深い影響を及ぼす。新型コロナウイルス感染症が世界構造の変化を速める今日、中米の駆け引きの結果がどうあれ、未来のグローバル化の方向を変えることだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月28日