中国の崔天凱駐米大使は先日、ポールソン元米財務長官のポッドキャスト「Straight Talk with Hank Paulson」で「歴史、文化、伝統、政治・経済制度が違うため、中米間に溝があることは避けがたい。だが中米は共通利益が溝を遥かに上回る。双方が十分な政治的意欲を持ちさえすれば、協力して取り組める事は多くある」と指摘した。新華社が伝えた。
崔大使は「中国の対米政策は明確で一致した、連続性のあるものだ。中国は終始米側と対立関係ではなく建設的協力関係を発展させることを望み、相互尊重、相互理解、互いの懸念への配慮、互恵を基礎に両国関係を構築することを望んでいる。これはニクソン大統領やキッシンジャー博士による訪中以来の中米関係の本質であり、根本的な変化が生じたことはない」と指摘。
「これと同時に、中米関係には大きな変化も生じた。より豊かで、深く、複雑で、包括的なものへと変化した。双方は早期には想像しがたかった多くの分野で協力を繰り広げてきた。だが現在の状況は憂慮すべきものであり、警戒すべきものですらある。米国の一部の人々は『レッドライン』を越えようとしている。これは深刻な結果をもたらす。過去数10年間の歴史から人々が経験と教訓を汲み取ることを望む」と述べた。
また「中米両国は様々なグローバルな試練に直面している。気候変動であれ感染症や自然災害であれ、いずれも自国のみの力では対処できない。米同時多発テロ、2008年の世界金融危機、そして現在の新型コロナウイルスのパンデミックのいずれもがグローバルな試練だ。中米両国は世界に対して共通の責任を負っている。先頭に立って協力し、国際協力を共に発起・支持・促進し、全ての試練に積極的に対処すべきだ。これは国際社会の一致した期待であり、両国最大の共通利益でもある」と強調した。
国家安全保障の問題に関しては「どの国でも自らの国家安全保障に懸念を抱くのは理にかなったことだ。だが我々は、全く根拠のない恐れ、猜疑心、恨みといった感情にミスリードされぬよう気をつけなければならない。実際には、二国間関係の発展は国家安全保障に寄与する。互いの交流が増えれば増えるほど、より良く互いを理解できる。こうしてこそ相手とどう付き合い、どうリスクを下げ、どう互恵協力を促進すればいいのかが分かる」と述べた。
また「中国は現在、国内の大循環を主体とし、国内・国際の両循環が相互促進する新たな発展構造の形成を推し進めている。中国は対外開放の水準を高め続けていく。米国企業を含む外国企業は中国での発展にさらに大きな将来性を得る」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年9月18日