中国共産党第19期中央委員会第5回全体会議(五中全会)は第14次五カ年計画期間の現代産業システムの発展の加速について重要な方針を示した。すなわち経済発展の重点を実体経済に置く政策を堅持し、「製造強国」「品質強国」「ネット強国」「デジタル中国」を確固として揺るぎなく建設し、産業基盤のハイレベル化と産業チェーンの現代化を推し進め、経済の質・効率とコア・コンピタンスを高める。産業チェーンとサプライチェーンの現代化レベルを高め、戦略的新興産業を発展させ、現代的サービス業の発展を加速し、インフラ整備を統合的に計画・推進し、「交通強国」の建設を加速し、エネルギー革命を推進し、デジタル化の発展を加速する。経済参考報が伝えた。
専門家は「第14次五カ年計画期間、新たな発展構造を構築する能力とレベルを高めるには、現代産業システムの発展に力を入れるとともに、重点を実体経済に置く必要がある。このうち、デジタル化の発展は現代産業システム構築の重要な推進力であり、戦略的新興産業は未来の産業変革の新たな方向を代表している」と指摘する。
■現代産業システムを構築して質の高い経済発展を後押し
国内的には、現在中国は経済モデル転換の正念場にある。中国電子情報産業発展研究院計画研究所の周遊副所長は「第19期五中全会は、中国経済はすでに質の高い発展という新たな段階へと方向を変えているとの認識を示し、第14次五カ年計画期間の経済発展は質の高い発展の推進を基調とし、供給側構造改革の深化を主軸とすることを明確に打ち出した。そして供給側構造改革の核心的意義は、現代産業システムを発展させ、経済システムの最適化と高度化を推進し、産業のコア・コンピタンスを高め、質と効率の明らかな向上を実現することにある」と指摘する。
国際環境について、中国国際経済交流センター米欧研究所の張煥波副所長は「グローバルな産業チェーンとサプライチェーンは深いレベルの再構築に直面している。これと同時に、欧米など先進国は製造業の優位性を引き続き重視し、その拡大を図っており、国際競争が激化している。中国は現代産業システムを積極的に発展させ、経済システムの最適化と高度化を推進することで、新たな世界構造の変化において速やかにチャンスを捉え、試練を迎え撃ち、産業チェーンの上流へと移行し、新たな比較優位を築くことができる」とする。
中国のデジタル経済は勢いよく発展しており、総規模は第13次五カ年計画初めの11兆元から、2019年には35兆8000億元にまで拡大し、対GDP比で36.2%、GDP寄与率で67.7%を占めるにいたった。デジタル経済の盛んな発展に伴い、中国はECとモバイル決済の双方で取引額が世界首位になり、ビッグデータ、クラウド・コンピューティング、IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)などが経済・社会発展に幅広く応用され、数多くの新たな業態やモデルの登場を促進している。ネットワーク整備の面では、第13次五カ年計画以来、中国は世界最大規模の情報通信ネットワークを完成させ、4G基地局は世界全体の半数以上を占め、5Gの実用化で堅実な一歩を踏み出し、すでに5G基地局は累計69万局開通し、接続するユーザー数は1億6000万人を超えている。
中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副部長は「第14次五カ年計画期間は質の高い経済発展の正念場であり、良いスタートを切り、社会の主要矛盾の変化をしっかりと押さえ、供給の最適化における取り組みの強化と効率向上を加速し、消費高度化のニーズを満たす必要がある。経済システムの最適化と高度化を後押しし、製造業のミドルレンジ・ハイエンド化を推進し、国際競争力を高めて、主要技術のボトルネックを打破するために応用空間を提供しなければならない」と指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年11月3日