「より良い暮らしを」
ショーンさんと娘は旅の初日で、村人全体の温かさを感じることができた。朝食は麺と鶏卵だった。午前中に市に行き栗とさつまいもを購入し、昼は食卓に郷土料理が所狭しと並んだ。午後は現地の名茶「六安瓜片」の工場を見学した。最も賑やかだったのは夜だ。焚き火を囲み、村人たちと共に串焼きを食べ、ダンスをし、花火を楽しんだ。
満面の笑みを浮かべるレベッカさんは記者に、「ここはすでに貧困に別れを告げ、人々は良い暮らしを手にした」と述べた。隣のショーンさんは「私が感動的だったのは、この村が一つの大きな家庭のようであることだ。中国全体もそうだ」と補った。
彼らの宿泊先の村の民家はかつて、村で最も苦しい貧困世帯の一つだった。ショーンさんが宿泊先の女性に聞いた話によると、数年前に現地の銀行から少額の融資を受け、さらに親戚や友人から借金をし、自宅のリノベーションを行い民宿の看板を掲げたという。ホールではさらに山の幸や特産品を販売した。今や借金をすべて返済し、暮らし向きが良くなってきた。
ショーンさんは、村人たちが協力しあい各自で努力するのは、貧困から脱却するだけでなく、より良い暮らしを送りたいからだと感じた。
植国明さんが村で最も深い印象を受けたのは、地元にUターンした1980年代生まれの人々だ。彼らは村の多くの高齢者を率いて養蜂し、富を築いている。さらには中国航天科工集団のサポートでスマート養蜂場を建設し、その「百花蜜」は業界内のコンクールの金賞を受賞した。
金寨県では近年、Uターン創業する若者が増えているが、植国明さんにとっては初めての見聞だった。「都市から農村に戻り、甘い願いと事業により村の高齢者を支援する。これは私にとってまさにサプライズだ」
烏俊傑さんは隣村で、ネットで人気のEC業者と知り合った。このかつての貧困者は政府創業助成及び優遇策のサポートで特産品オンラインショップを開いた。昨年の売上は500万元を上回り、純利益は50万元弱にのぼった。
小さな山村で道路、物流、インターネットが普及し、巨大な全国サプライチェーンとつながる。一般的な農民が都市部の多くのリピーターと売上を獲得し、多くの農民を率い豊かな生活を送る。その目で見なければ、彼はこれを信じられなかっただろう。