トランプ政権時代、中米両国の関係が緊張したが、海軍間の交流は想像されるほどの一触即発状態ではなかった。米海軍協会は公式サイトで19日、中国海軍は自国の艦隊の強化に取り組んでいるが、両国海軍の交流に大きな変化はないと伝え、次のように続けた。
中国海軍は自国の艦隊の強化に取り組んでいるが、中国海軍の行動は同地域における米艦により強い攻撃性を示していない。第9空母打撃群指揮官は、中国海軍は日増しに強化されているが、2017年及び18年の同地域における行動と比べ、米海軍の中国への接近行動及び手段に変化は生じていないと認めた。同氏は現地時間火曜日の午前中、米国の記者に電話で「我々の大半の交流は、いずれも非常に予測可能であり、専門的だ。我々はその管轄海域で日本の海上自衛隊と協力しており、その他の部隊や艦隊とも協力している。中国のシーパワーが急成長しているほか、重大な変化は確認されていない」と述べ、「戦術的に見ると、水上における双方の相手側への接近、遭遇、意思疎通に大きな変化はない」と補足した。
「環球時報」のインタビューに応じた中国の専門家は、中国海軍の位置及び操作は常に専門的で、これについては米国人に証明されるまでもないと述べた。双方の交流は規範的だ。中国と米国は14年に中米の海空遭遇安全行為準則了解覚書に署名しており、それに先立ちさらに「海上偶発的遭遇規則」を採択していた。双方はまた同規則に基づき訓練を行ったことがある。中米の海空遭遇安全行為準則了解覚書には国際法の拘束力が存在せず、双方が自発的に遵守しているが、実際には拘束と規範が存在している。
また別の角度から見ると、米海軍も徐々に中国側の対応に適応している。この期間中、米海軍は行き過ぎた行動に出なかった。米海軍の駆逐艦「マッキャンベル」は昨年12月22日、いわゆる「航行の自由作戦」の展開中、中国政府の許可を得ず無断で中国・南沙諸島付近の海域に進入した。中国人民解放軍南部戦区は海空兵力を集めこれを警告・駆逐した。類似するケースは1回に留まらない。この警告・駆逐における「交流」が比較的激しいことは間違いないが、米海軍が心理的にこのような交流方法に徐々に適応していることは明らかだ。専門家は、今回の米海軍指揮官の発言は、米海軍が発したシグナルの可能性があるとした。すなわち中米関係が悪化している時であっても、その海軍間の関係は想像されるほど悪くはなく、両軍に関係改善の基礎があるということだ。しかしこれについては、慎重に今後の経過を見守る必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年1月21日