中国が新疆で「ジェノサイド」を行っているという間違った説を米国など西側諸国がでっち上げていることに対し、中国外交部(外務省)はすでに何度も態度を表明し、いわゆる新疆「ジェノサイド」というのは掛け値なしに偽の命題であり、一部の反中勢力が下心をもってでっち上げた嘘であり、徹頭徹尾中国を中傷する茶番劇だと述べてきた。先ごろ、日本のある学者が新疆での「ジェノサイド」というでたらめな理屈に反論する文章を執筆し、複数のメディアに送ったものの、日本のメディアに掲載されることはなかった。共同通信社の客員論説委員である岡田充氏は19日、環球時報の取材に対し、日本メディアには「米国の主張については甘く、一方的な情報に基づく恣意的な中国非難をするという悪い癖」があるとの指摘を行った。
横浜国立大学名誉教授で中国問題専門家の村田忠禧氏
新疆「ジェノサイド」論は無知と偏見に由来する嘘
横浜国立大学名誉教授で中国問題専門家の村田忠禧氏は、「新疆ウイグル自治区の『ジェノサイド』は無知と偏見の産物」と題した文章の中で、「新疆維吾爾(ウイグル)族は安定的に増加している」、「このような歴然とした事実を無視して、『ジェノサイド』が進行している、といくら声高に叫んだところで、(中略)アメリカ政府の『人権外交』の本質が無知と偏見で作られた『デマ情報』に基づいていることを全世界人民に知らせる結果となるであろう」としている。
村田氏は、「2019新疆統計年鑑」のデータ分析を引用し、1978年以降、新疆におけるウイグル族の人口は漢族の人口より多く、ウイグル族は555万5000人、漢族は512万9000人だったが、その後全体の人口が増加するにつれて、2019年にはウイグル族が1167万6000人まで増えたのに対し、漢族は785万7000人だったと指摘している。
また、受け入れた外国人観光客数(国別)データによると、2017年に新疆を訪れた外国人観光客総数は224万5610人だったが、2018年には248万9420人まで増え、うちカザフスタン、モンゴル、パキスタン、日本、韓国が上位を占めた。村田氏は、「日本、韓国以外はいずれも新疆と国境を接しているか、旧ソ連に属していた国で、自国内に新疆の少数民族と同じ民族を抱えている国々である。もし新疆で自己の民族同胞が抑圧され、犠牲になっているのなら新疆を訪問する気になるだろうか」と指摘している。注目すべきは、他の国から新疆を訪問した観光客数が増加している一方で、日本からの観光客数が2017年の1万3179人から2018年には9959人に落ち込んでいる点だ。
18日、村田氏は取材に対し、「いわゆる『ジェノサイド』は全く存在しない。私は新疆を訪れて自分の目で新疆の繁栄と発展を確かめたので、西側が中国を中傷する言葉を信じない」と語った。村田氏は大量の資料を読み、西側が宣伝する「ジェノサイド」論に反論する文章を執筆して、複数の日本メディア向けに送ったが、「誰にも相手にされず」、文章は今も掲載されていないという。
日本メディアを覆う「書き得」の空気
村田氏が調べてみると、米国の「結論」を支持する文章のほうが日本メディアに歓迎されていることが分かった。例えば、東京大学大学院法学政治学研究科の平野聡教授はその文章の中で、中国の少数民族の人口データとウイグル族の人口データを一括りにして論じており、「分析」の結果、米国と一致する「結論」、つまり中国が「ジェノサイド」を実施したと認定するという「結論」を導き出した。そしてこの「結論」は日本社会から「認められた」。
共同通信社の客員論説委員である岡田氏も、「日本のメディアの記事や動画でも、ジェノサイドという言葉を『カッコなし』で表記し、それが米国政府の主張にすぎないことを明確に示さず報道するケースが増えている。米国の主張には甘く、中国批判については事実を確認せずに大きく扱う『書き得』の空気がメディアを覆っている」と指摘している。
村田氏は、「一般の日本人は新疆についてほとんど知らないが、新疆に行った人であれば、西側の新疆への中傷は反論するまでもなく嘘だと分かるだろう。しかも、日本メディアや書店には中国を悪く言う内容や本があふれており、日本人の中国に対する誤解を生じさせている部分が大きい」と説明した。
また村田氏は、「近年、中国の政務公開の取り組みが大きく進展し、ネット上でより詳細なデータを入手できるようになった。隣国として、日本はかつて『中国研究』に長けていたが、現在の日本はすでに本当の中国を理解していない、もしくは理解しようとしない状況になっている。だからこそ、西側の嘘にだまされ、米国に『誘導されるままに脇道にそれた』」と述べている。