ワクチン接種の「中国速度」はどのように実現したのか

ワクチン接種の「中国速度」はどのように実現したのか。ワクチンの生産過程は複雑で、生産周期が長く、工程が多く、技術水準も高い、需要を満たすため、工業情報化部と関係部門は企業と連携し、増産プランの制定を研究した…

タグ:ワクチン 生産力 臨床試験

発信時間:2021-06-16 11:40:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国の新型コロナウイルスワクチンの接種は加速段階に入った。

 

 国家衛生健康委員会が発表したデータによると、わずか25日で1億回から2億回に、16日で2億回から3億回に、9日で3億回から4億回に、5日で6億回から7億回に増えて行った。6月8日までに、中国の接種数は8億2000万回に達した。

 

 オックスフォード大学の統計によると、世界の接種数は約19億回で、その約3分の1が中国である。同サイトの7日間の平均データを見ると、中国のワクチン接種数は1日平均約1700万回となっている。一方、米国は4月にワクチン普及に全力を注いだが、1日の接種数は340万回ほどである。

 

 ワクチン接種の「中国速度」は世間を驚かせている。AP通信は6月3日に掲載した記事で、「中国は世界のほかの国にできないことをしている」と論じた。

 

 「ほかの国にできないこと」を、中国はどのように実行したのか。

 

 「食糧が足りていれば、気持ちは落ち着く」という言葉があるが、コロナ禍で、ワクチンは疫病と戦う中での「食糧」のようなものである。ワクチン開発の最前線で奮闘する科学研究者のおかげで、中国人は早くに自分のワクチンを確保できた。コロナ流行当初、ワクチン開発の成功率を最大限に上げるため、中国は5つの技術手段を一気に組み立てた。現在、4種の新型コロナウイルスワクチンが国内で条件付きで販売され、3種が国内の緊急使用許可を取得し、8種が国外で3期臨床試験の許可を取得した。良いニュースは続いている。5月7日と6月1日、中国国薬と科興の2種のワクチンが世界保健機関(WHO)の緊急使用リストに追加された。陳薇院士は6月3日、エアゾール吸入型コロナワクチンの緊急使用を申請中だと明かした。

 

 ワクチンを生産するには、強大な生産能力が必要である。ワクチンの生産過程は複雑で、生産周期が長く、工程が多く、技術水準も高い、需要を満たすため、工業情報化部と関係部門は企業と連携し、増産プランの制定を研究した。また、多くのコロナワクチン生産ラインを24時間体制でフル稼働させ、生産能力を急速に拡大し、1日2000万回以上の接種を可能にした。

 

 ワクチン完成後、どのように価格を決めるか。どのように接種をすすめるか。これについて、中国は人民優先・生命優先の原則に基づき、コロナワクチンの全民無料接種を実施し、「3ステップ」戦略をとった。重点対象者からハイリスク層、さらに一般層に至るまで、ワクチンの生産量とリスク要素の判断をもとに順に進め、重点強化、納得同意、自由意志、無料接種の原則に基づき、各層に段階的に接種を進めた。

 

 現在、一般向けのワクチン接種作業が全面的に進んでいる。ワクチンのオンライン予約サービスの開設、夜間接種サービスの実施、移動接種車の導入、臨時接種所の増設など、ワクチン接種を進めるため、全国各地は様々な方法で住民の接種ニーズを満たすと同時に、便利に接種を受けられるようにしている。

 

 当然、国民に認められ協力がなければ、5日で1億回接種という速度は不可能である。1年以上にわたる防疫闘争を経て、国民の防疫意識は大幅に高まり、「誰にも責任がある」という考え方が浸透し、多くの中国人が自分、家族、社会への責任だと考えて自主的に接種している。


 コロナワクチンの接種速度の大幅加速の背景にあるどの部分も単純ではなく、全てが秩序よく進んだ。つまり、これは数十年の中国の高速成長が築いた物質的基礎であり、力強い指導、科学的な政策決定体制、全体の防疫への決心、責任感のある医療従事者が存在するおかげだと言える。ワクチン接種の「中国速度」の秘密はここにある。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2021年6月16日

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