外交部のウェブサイトで発表された情報によると、駐香港公署の特派員である劉光源氏の英文署名記事「反中敵視が次の段階のウイルス起源解明を汚す」が、「南華早報」に掲載された。ウイルス起源解明は科学の原則を貫くべきであり、一部の国が操る結論ありきの政治調査に変化するべきではないと指摘した。記事は同日、同紙の電子版にも掲載された。全文は下記の通り。
中国の全力のサポートを受け、世界保健機関(WHO)は今年3月に国際専門家チームを中国に派遣し、新型コロナウイルスの起源解明を展開した。専門家らは行きたいすべての場所に行き、会いたいすべての人に会い、大量のデータを深く分析した上で正式に中国版の共同研究報告書を発表した。ウイルスが「実験室から流出した可能性は極めて低い」という結論を導き出し、次の世界的な枠組み内での各国・各地の起源解明の研究の共同展開に方向を示した。
ところが一部の国は専門家チームの権威ある報告書を無視し、中国に対して不当に結論ありきを押し付け、さらにはWHO事務局を巻き込み常軌を逸した第2段階の起源解明計画とやらを打ち出した。実際には、一部の国の政治家は科学的なウイルス起源解明に取り組むつもりが最初からなく、反中政治ウイルスのばらまきを苦心惨憺策謀し、自身の感染対策不徹底の責任を転嫁し、感染症を利用し中国をけん制しようと企んでいる。彼らは最初から感染症の政治利用、汚名を着せるためのウイルスの利用、起源解明の道具としての利用を企み、公然と「武漢ウイルス」と呼び、「中国原罪説」を唱え、さらには情報を捏造し「実験室流出説」をでっち上げている。これは誰かが当時、洗濯用洗剤を持ちながら「大量破壊兵器」の証拠とした件のコピーではないか。
どのような起源解明計画であっても、ウイルスを見つける真の科学計画でなく、中国を中傷しようとする政治計画であれば、中国はこれを受け入れず、また絶対に受け入れられない。いわゆる第2段階の起源解明計画は、第73回世界保健総会の決議の要求にそむき、さらには第1段階の研究の結論を無視している。オープンで透明で責任ある科学的な起源解明の努力を無駄にした。道義にかなえば多くの支持が得られるというが、ロシアなどの70カ国弱もWHOに書簡を送り、第1段階の起源解明の研究成果を認め、起源解明問題の政治利用に反対した。中国グローバルテレビジョンネットワーク(CGTN)シンクタンクの国際的な世論調査によると、投票に参加した84%のネットユーザーが、起源解明の問題の政治利用はパンデミックへの対応に資さないとの見方を示した。
事実は雄弁に勝り、嘘はいつか必ず破滅する。誰かが陰険な下心でこしらえた陰謀はまったく成り立たない。いわゆる「実験室流出説」については、中国側は何度も次の3つの事実を明らかにしている。まず、2019年12月30日より前に、武漢ウイルス研究所は新型コロナウイルスに接触したことがなく、保存も研究も行っていなかった。次に、同研究所は新型コロナウイルスを設計・製造したことがなく、流出させたこともない。それから、研究所の職員と院生は現在も新型コロナウイルスの「ゼロ感染」を保っている。一部メディアは同研究所の3人に新型コロナウイルスに類似する症状が見られたとでっち上げているが、現在もこの3人の氏名を口にしていない。先ほど「ランセット」は国際的に有名な24人の専門家の共同声明を発表し、新型コロナウイルスの最も可能性の高い起源は自然界であり、実験室ではないと重ねて表明した。
ウイルス起源解明は厳粛な科学の問題だ。中国側は一貫してその科学的な展開を支持し、政治利用の企てに断固反対し、終始オープンな態度で関連する国際協力に参加している。次の段階の起源解明は第1段階の研究を踏まえた上で、科学の精神に基づき政治的干渉を排除し、WHO加盟国との十分な議論・協議を踏まえた後に、世界各国の各地で重点的に動物や早期感染者などの科学の方向をめぐり秩序正しく推進するべきだ。これは国際社会の共通認識でもある。
生きる権利と発展の権利は最大の人権だ。過去1年以上に渡り、中国は人民最優先、命最優先を堅持し、大きな犠牲と努力により感染予防・抑制狙撃戦の重大な勝利を手にした。国際社会にとっての現在の最重要任務はやはり、手を携え感染拡大を防ぎ、経済を回復させ、人々の生活を守ることだ。特に発展途上国への公平かつ公正なワクチン分配を促進しなければならない。ウイルスに国境はなく、責任転嫁に活路はない。協力こそが正しい道で、ウイルス起源解明の名を借り政治的操作をする拙劣な行いのすべてが必ず失敗に終わる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月10日