世界保健機関(WHO)は現地時間13日、「新規病原体の起源に関する科学諮問グループ」(SAGO)の専門家リストを発表した。同グループは新型コロナウイルスの発生源調査を請け負う。16日に開かれた会議で、2003年のSARS発生源調査に参加した著名ウイルス学者の王林発氏は、新型コロナウイルスは人工的に作られたものではなく、かつウイルスの発生源が大規模発生した場所(武漢)ではない可能性が十分にあり、今後は東南アジア地域で研究調査を強化すべきだと述べた。
王林発氏は「天津フォーラム2021」でビデオ演説を行った際、今年初めにWHOの専門家グループが武漢での調査を開始する前、新型コロナウイルスが人工的に作られたものではないことを確認し、「実験室流出説」の可能性もないと断言した。王林発氏は世界的に有名なウイルス学者で、デューク・シンガポール国立大学医学部の新型感染症重点研究プロジェクトの教授でもある。1993年、王林発氏は協力者とともにオーストラリアでコウモリから発生したヘンドラウイルスを発見・命名した。2003年、WHOの要請を受けて発生源調査グループに参加し、中国科学院武漢ウイルス研究所の石正麗研究員らと協力し、コウモリが大量のSARS型ウイルスを携帯していることを発見した。
王林発氏は、「新型コロナウイルスが大規模流行した場所は武漢だが、ウイルスはここで発生していないだろう」と述べ、HIVウイルスは1981年に初めて米国のニューヨークとカリフォルニア州で発見され、1983年に分離されたことを例に挙げた。その後の研究で、科学者はHIVの発生地がアフリカであることを発見した。そのため、武漢で流行した新型コロナウイルスも遠い場所で発生した可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月20日