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japanese.china.org.cn |28. 03. 2023

科学技術産業再建政策、米国のサプライチェーン安全を保障できず

タグ: 半導体 資金援助 チップ 製造業
中国網日本語版  |  2023-03-28

「CHIPS及び科学法」の実施は、米国が数十年に渡る科学技術産業政策の再建を急ぎ、現金支給、企業の減税、さらに「連邦の資金援助を受ける者の特定国における先端半導体の生産能力の拡大もしくは建設を禁じ、これらの規制の米国輸出管理法との一致を保つ」といった規定により地場製造業の支援を試みることを意味する。しかし米国の半導体産業の退勢を短期間内に巻き返せないと見る向きが強い。

 2021年4月に米国半導体産業協会とボストンコンサルティンググループが発表した「不確実性の時代における世界半導体サプライチェーンの強化について」報告は、今後10年の半導体サプライチェーンの研究開発及び資金の支出が約3兆ドルにのぼると見積もった。米国の完全に自給自足の半導体サプライチェーンには少なくとも1兆ドルの前期投資が必要になるという。これと比べると「CHIPS及び科学法」の527億ドルの資金は焼け石に水だ。しかも報道によると、同法は米連邦政府の赤字を10年内に790億ドル増やすことになる。これは物価高の圧力と深刻な債務危機への対応に苦しむバイデン政権にとっては紛れもなく泣きっ面に蜂であり、半導体産業への巨額の財政支援の約束は水の泡になる可能性が高い。

 (筆者=郝敏・国際関係学院知的財産権・科学技術安全研究センター長)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月28日