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japanese.china.org.cn |28. 03. 2023

米国のグローバル化に逆らう操作、世界の半導体産業の危機を生む恐れも

タグ: 半導体 サプライチェーン 輸出 規制
中国網日本語版  |  2023-03-28

 米国が中国に仕掛けた貿易戦争がすでに5年続いている。その主軸はトランプ政権の貿易戦争から、バイデン政権のテック戦争に変化している。米国の対中テック戦争の実質は、中国のハイテク分野における革新的な発展の能力を全力で抑圧し、ハイエンド技術産業チェーンに上がろうとする中国の勢いを弱めることで中国の発展の空間と速度を抑え、米国の重大技術の世界経済におけるボーナスと、それに基づく軍事及び国家安全の優位性を保つことだ。両国の未来の拮抗は、21世紀の科学技術発展の主導権と技術標準の発言権をめぐる争いであり、双方の総合的な国力、制度、文化の全体的な駆け引きとなる。これは長期化し、複雑で、難航する。米国のグローバル化に逆らう操作は、世界の半導体産業の危機を生む恐れもあると見られている。

 まず、半導体の生産が過剰になり、価格が大幅に低下する状況下、米国は依然として半導体産業を重点分野として巨額の投資を行っている。米国のこのグローバル化に逆らう操作は欧州、日本、韓国などの半導体に強い国と地域から警戒される。これらの国と地域は減税、共同研究、労働者訓練補助などの支援策により、自国の半導体産業チェーンの実力を保とうとするようになる。これは各国による世界の半導体産業の原材料、製造設備、資本、人的資源の争奪をさらに引き起こし、その非理性的な競争を激化させることで、世界の半導体貿易構造を不安定な状態に陥れる。

 次に、米国が輸出規制を乱用することで、米国の企業が真っ先に衝撃を受ける。このほど米国の上場企業が開示した財務諸表もこれを充分に証明している。米国の半導体メーカーは昨年業績が低迷し、売上と利益が大幅に減少した。昨年第4四半期の財務諸表によると、インテルの売上は前年同期比で約32%減少し、純利益は114%減となった。AMDの株価は昨年11月までに60%弱下落し、NVIDIAなどの各社の株価の下げ幅がいずれも50%前後となった。米国の半導体関連物資の対中輸出規制はブーメランであり、米国企業の業績悪化の重要な原因の一つになったと分析されている。

 最後に、新たなサプライチェーンの衝撃が米国の景気刺激策の実際の効果を大幅に弱める。米国の経済学者のデービッド・ゴールドマン氏は記事の中で、「米国の半導体分野の対中輸出規制が、西側の半導体産業の投資と研究開発活動にもたらす損失は、米国が半導体産業に提供する補助の5倍以上に相当する。この措置は米国本土の産業チェーンの状況をさらに悪化させる」と指摘した。半導体産業は国際協力の産物だ。米国側のやり方は公平な競争の原則に背き、国際経済・貿易ルールに違反している。中国企業の正当な権益を損ねるばかりか、米国企業の利益に深刻な影響を及ぼし、国際的な科学技術交流と経済・貿易協力を妨げる。これは世界の産業チェーン・サプライチェーンの安定と世界経済の回復に大きな衝撃を及ぼしている。

 (筆者=郝敏・国際関係学院知的財産権・科学技術安全研究センター長)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年3月28日