政治・安全>
japanese.china.org.cn |31. 05. 2023

米国の「知中派」が沈黙する理由は?①世代交代

タグ: 知中派 意思疎通 学術 
中国網日本語版  |  2023-05-31

 キッシンジャー元米国務長官は27日、100歳の誕生日を迎えた。国家安全保障問題担当大統領補佐官だったキッシンジャー氏は1971年7月に訪中し、意思疎通と商談を経て、中国側と共にニクソン米大統領の中国の「破氷の旅」を促した。世界を震撼させた「太平洋を跨ぐ握手」は中米関係の改善を直接促し、中米の国交樹立の基礎を固めた。

 あれから50数年の間に、「知中派」は中米関係発展の非常に重要なグループ、不可欠な勢力となった。ところが21世紀の今日、米国の政界で党の争いが激化し、反中ムードが日増しに高まる環境の影響を受け、「知中派」が沈黙するようになった。

 米国の「知中派」に世代交代

 米国の中国問題ベテラン専門家、ハーバード大学フェアバンク中国研究センター研究員のロバート・ロス氏(中国語名は陸伯彬)は今年4月に上海の短期研究訪問を行った。ロス氏はその期間中、交流と講演のため南京とアモイを訪れた。ロス氏によると、今日の中国を見るため訪中したという。つまり約3年ぶりの訪中で、中国社会のその間の変化を実感しようとした。

 ほぼ同じ時期に、ハーバード大学フェアバンク中国研究センター長、特別栄誉教授のウィリアム・カービー氏(中国語名は柯偉林)も上海を訪問した。筆者とカービー氏は昨年スタンフォード大学で会話し、中米両国の学術界は往来を維持し、決して「デカップリング」してはならないとの見解で一致した。

 この米国の2人の有名学者は、新型コロナウイルスの感染拡大が終わったばかりで、国際旅行が完全に正常化されていない状況下で訪中した。これは今日の中国を正確に把握しようとする米国の「知中派」の学者の願いを反映した。

 筆者は今日、このような米国の「知中派」が少なすぎると感じている。

 会談の中で、陸伯彬氏は米国の数人の「知中派」の現状について話した。例えば、元駐中国米国大使の芮効俭氏、ブルッキングス学会ジョン・サント中国センターの2人の元主任などで、高齢になった人や相次いで退職した人もいる。


 陸伯彬氏は、米国の「知中派」は今、世代交代の段階に入っていると考えている。


 (筆者・任暁 復旦大学中国外交研究センター長、教授)

 

 関連ニュース:


 米国の「知中派」が沈黙する理由は?②新たな「マッカーシズム」が台頭


 米国の「知中派」が沈黙する理由は?③「歪んだ対中認識」を正す


「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月31日