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japanese.china.org.cn |31. 05. 2023

米国の「知中派」が沈黙する理由は?③「歪んだ対中認識」を正す

タグ: 知中派 意思疎通 交流 認識
中国網日本語版  |  2023-05-31

 キッシンジャー元米国務長官は27日、100歳の誕生日を迎えた。国家安全保障問題担当大統領補佐官だったキッシンジャー氏は1971年7月に訪中し、意思疎通と商談を経て、中国側と共にニクソン米大統領の中国の「破氷の旅」を促した。世界を震撼させた「太平洋を跨ぐ握手」は中米関係の改善を直接促し、中米の国交樹立の基礎を固めた。

 あれから50数年の間に、「知中派」は中米関係発展の非常に重要なグループ、不可欠な勢力となった。ところが21世紀の今日、米国の政界で党の争いが激化し、反中ムードが日増しに高まる環境の影響を受け、「知中派」が沈黙するようになった。

意思疎通により「歪んだ対中認識」を正す

 同時に米国ではいわゆる「ストラテジスト(戦略家)」が生まれた。彼らには、中国語ができず、中国の内政と外交を研究せず、その信奉する大国の政治理念をすべての立脚点とし推理するという共通点がある。彼らは「真理は我が手にあり」と思い、中国もその「掌中」にあると当然のように考える。ところが実際には彼らがある種の「理論」に基づき導き出すのは、歪んだ対中認識に過ぎない。これは次の間違った認識により反映されている。

 (一)中国が国際社会の現状への不満から、既存の国際秩序を変える、さらには覆そうとしている。

 (二)中国は米国の世界的な地位を狙っている。中国には長期の(さらには「秘密の」)戦略目標があり、パワーの持続的な強化により最終的に米国の覇者としての地位を占める。

 (三)中国は米国が衰退したと見ている。この状況下、台頭中の中国は米国が残した空白を埋めることができる。

 これらは現在の米国の対中政策を形作る根本的な認識だが、いずれも間違っている。双方が接触と意思疎通をしなければ、これらの間違った認識はより定着する。相互の接触と意思疎通にはさまざまなレベルと分野があり、その間で相互に影響し合う可能性がある。これには知中派の認識が含まれるが、彼らは次のような力を発揮し得る。

 (一)客観的な認識の形成。彼らの方が中国を理解しているため、その中国に関する発言はより客観的になる。中国の良い面を話してもらわずとも、客観的な中国のイメージを話してもらう。中国にまだ存在する問題と不足についても、中国をより良くするため客観的に指摘してもらいたい。

 (二)連絡の紐帯。大々的に持て囃されている「デカップリング」は、現代の危険な考え方だ。この考え方に導かれると、各方面で中米間のつながりが「有」から「無」になる可能性がある。この考え方と行為は大きな危害をもたらす。これに現在及び未来の両国関係を主導させては決してならない。両国の研究界が連絡と意思疎通を保つことが重要だ。

 (三)意思疎通の架け橋。過去の長年の状況を見ると、中米関係に困難と危機が生じると、米中関係全国委員会が姿を現すことが分かり、その力を過小評価できない。同組織には正社員がおり、ランプトン氏、ホールデン氏、オーリンズ氏らが会長を務めている。Jan Berris副会長はニクソン訪中後の中米関係の全過程を見守っており、同組織の活動の連続性を示している。同委員会の長年に渡る取り組みは、彼らが発揮する、発揮できる力を示している。

 (筆者・任暁復旦大学中国外交研究センター長、教授)

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「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年5月31日