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| japanese.china.org.cn |27. 06. 2023 |
米国の麻薬濫用 ③米政府の社会管理の失敗を反映
米ペンシルバニア大学の研究によると、米国は麻薬使用の広がりを抑えるため1971年以降に1兆ドル超の経費を使用した。しかし米NGOの関係者は、「麻薬戦争の政策は失敗だった。市民に麻薬の使用をやめさせ、コミュニティを再び団結させ、麻薬をなくすといった米政府の約束は果たされなかった」と述べた。
麻薬戦争はなぜ失敗したのだろうか。これは米国の政治家が、同問題を利用し自身の政治的・経済的利益を得ることを優先したためだ。
ニクソンは1971年6月17日のスピーチで、麻薬は「最大の公敵」と述べ、鳴り物入りで「麻薬戦争」を発動した。ところがその後、人々は麻薬取締の真の動機を疑うようになった。ニクソンの高級政策顧問だったジョン・アーリックマンは1994年の取材で、ニクソンは米国国内で当時、ベトナム戦争に反対する左翼とアフリカ系住民という2つの敵に直面していたと述べた。左翼のヒッピーを大麻と、アフリカ系住民をヘロインと結びつければ、彼らをやっつけられるというわけだ。その後、一部の政治家が米国の「麻薬戦争」において、アフリカ系住民などに対する社会的な偏見を利用し人種主義的な立場をほのめかすことで、白人の保守派の有権者から支持を集め政治的な利益を手にしたとの声が高まっていった。
経済的に見ると、大麻合法化により米政府は税収を増やせる。コロラド州は2012年に大麻を合法化した。同州のその後の大麻販売による収入は累計で10億ドルを超えたが、各種麻薬による死者数も記録更新を続けた。さらに多くの犯罪組織がコロラド州で大麻を栽培し、その他の州に密輸し販売した。
米国の一部の大手医薬品メーカーも麻薬氾濫の重要な力を発揮した。これらの企業は関連する専門家と機関に大量の資金援助を行った。これは「オピオイドは無害」という説を流布し、医師による処方の乱発を奨励し、薬局での販売に力を入れるためだ。またこれらの企業はロビー活動に大量の資金を費やし、関連する薬品の監督管理を緩めるよう政府に働きかけている。
米「オープン・シークレッツ」のデータによると、米国の大麻製品関連の企業及び業界協会などが2018−22年にかけて、ロビー活動に2240億ドル超を費やした。年平均で16年の10倍以上に、12年の約100倍にのぼった。
米シンクタンク「マンハッタン政策研究所」は、米政府が発表した国家麻薬取締戦略には、政府が本来発揮すべき重要な力がほとんど見られないと指摘した。麻薬・薬物乱用のエスカレートの放任は、「米政府の社会管理の失敗を反映」しているという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月27日
