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japanese.china.org.cn |27. 06. 2023

米国の麻薬濫用 ①ドラッグに蝕まれた「ゾンビタウン」

タグ: 米国 麻薬濫用 ゾンビタウン フィラデルフィア
中国網日本語版  |  2023-06-27

 ある麻薬中毒者がふらふらと歩き、別の中毒者が知覚を失い地面に倒れている。ホームレスのテントが各所に見られ、地面にはゴミが散らばっている。これは最近米国のネット上で注目されている、フィラデルフィア北部の街頭の様子だ。

 英紙「デイリー・メール」はこれについて、「フィラデルフィアはすでに麻薬犯罪に埋もれている」「人類がこのような状況に置かれるのを見たことがない」と伝えた。同紙によると、この「博愛の都市」フィラデルフィアのケンジントン通りは、ドラッグに蝕まれ「ゾンビタウン」になっている。ネットユーザーは、これほど恐ろしい光景はゾンビ映画のようであり、世界で最も先進的な国であるとは信じがたいとコメントした。

 「麻薬中毒が公衆衛生の危機に」

 フィラデルフィアのケンジントン通りを「ゾンビタウン」にしたのは、「ゾンビドラッグ」とも呼ばれるキシラジンというドラッグだ。人の体内から体外への腐乱を招き、直ちに治療しなければ四肢切断のリスクがある。この薬品は通常、大型家畜の鎮静に用いられるが、今や米国で流行中のドラッグになっている。使用者は周辺環境の変化、体の痛みや潰爛に意識が及ばず、歩く姿勢は映画のゾンビにそっくりだ。

 「ケンジントン通りの混乱」は米国のドラッグ氾濫の現状の縮図だ。米外交問題評議会は報告書の中で、2000年以降に米国で100万人超が麻薬過剰摂取により死亡し、麻薬中毒がすでに米国の長期流行病になり、人々の健康と経済的なアウトプットを脅かしていると指摘した。米疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、米国では昨年、過去最多の10万9600人が麻薬過剰摂取で死亡した。米誌「フォーチュン」によると、米国の麻薬摂取による死者数は、銃撃及び自動車事故の死者数の合計を上回っている。

 米国の公益組織は、「麻薬中毒は公衆衛生の危機になっている。この危機はかつてないほど深刻だ」と報告した。米国立薬物乱用統計センター(NCDAS)が発表した調査データによると、12歳以上の約2億8000万人の米国人のうち3190万人が麻薬を使用している。

 麻薬の氾濫は米国の各種社会問題を深刻化させている。麻薬摂取は脳神経を破壊し、摂取者のストレスと認知障害を激化させる。精神疾患や感情の激化を招き、家庭の危機、暴力犯罪、心の傷を生じさせやすい。また貧困の連鎖や人種差別の問題を深刻化させ、米国社会に深刻な衝撃を及ぼす。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月27日