然烏湖の周囲には高山が聳え立ち、標高5000メートル以上の高峰には氷河が見られる。麓の湖に近い斜面には青々としたマツやカシワなどの針葉樹林が広がっており、緑の群山に囲まれた然烏湖はことのほか静謐で優美だ。鏡のような湖面は周囲の雪峰や、青々とした林、青い空と白い雲を倒影し、その光景はどこまでも魅力的だ。湖畔には牛や羊が群れを成す緑の草原や、ハダカムギやエンドウ、チンゲンサイなどが植えられた農地が点在し、チベット高原独特の秀麗な風景、牧歌的な田園の絵巻を織り成している。湖沿いの道をめぐり歩けば、ここの素晴らしさを思う存分に味わえ、自然に戻ったような感じを覚え、ゆったりとした気分にひたれるだろう。
「北京週報日本語版」2007年8月16日