全世界を揺るがしている新型インフルエンザの流行により、北京の外国人観光客は減少し、観光市場は「ダブルパンチ」を受けている。昨年後半に始まった金融危機以来、市内各国際旅行代理店の売上高は大幅に減少、さらに今回の新型インフルエンザ発生以来、欧米諸国からの団体ツアーが激減している。さほど状況が変わらない日本、韓国からのツアーも今後影響を受けるものとみられる。「北京晩報」が伝えた。
「6月にカナダからの団体客が北京に到着する予定でしたが、キャンセルの可能性が高いです」。北京目的地旅行社の担当者はこう語る。「お客様は新型インフルエンザ流行が広まるにつれ海外旅行を控えています」。同担当者はまた、ドルの急速な値下がりを受け、以前はツアーの品質を重視していた外国人観光客はいずれも価格のみを重視、北京観光はいまや「低価格競争」の悪循環に陥っていることを明らかにした。「ツアーを受け入れても、利益は以前の半分以下です」。
外国人観光客数は減少しているものの、市内各旅行代理店は新型インフルエンザ対策に懸命だ。現在、国際旅行代理店がメキシコ、米国など新型インフルエンザ流行国から観光客を受け入れた場合、必ず行政主管部門に報告、顧客の滞在住所と連絡方式を詳細に記録しているほか、顧客の身体状況などに敏感なほどに関心を払っている。「それでもさまざまな状況が発生しています。例えばホテル側が流行国からのお客様を受け入れないことがあります。以前メキシコからのお客様の受け入れを拒んだホテルに対し、頼み込んでようやく受け入れてもらったことがあります」。某国際旅行代理店の担当者によると、種々の原因により、現在の国際観光市場はまさに「ダブルパンチ」状態という。
北京市内での新型インフルエンザの感染例が報告され、観光市場はさらなるマイナス影響にさらされる可能性がある。もっとも流行が効果的に抑制されれば、代理店側の憂慮も消え去るだろう。現在、海外からの渡航は韓国、日本などアジア諸国からの修学旅行、短期団体ツアーなどが安定を下支えしており、「まずこれらのお客様を確保するのが先決です」と、市内各旅行代理店は状況が好転することに期待している。(編集HT)
「人民網日本語版」2009年5月20日