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大メコンに生きる(1)聖なる水は天上より来たる
発信時間: 2009-06-26 | チャイナネット

聖地に源を発する流れ

瀾滄江─メコン川の源流は中国青海省玉樹州にあるザチュ(雑曲)。ザチュはチベット語で、「水の流れが多い」という意味である。瀾滄江の水源地区の支流の多さは、世界でも非常に珍しい。主な支流であるザチュ(扎曲)川の大小の支流は、400本以上に及ぶ。空から見ると、樹木の複雑かつ膨大な根系が樹幹に養分を送り出しているかのようである。現地の人々は、この川の源は一つだけではないと考えている。

しかし、科学界では一般に、「もっとも距離が長いものを河川の源と見なす」のが河川の源を定めるときの原則である。瀾滄江─メコン川の源については、さまざまな資料に十数種類の説が記載されているが、それぞれ異なる源を起点として計算するため、長さもそれぞれである。もっとも新しい科学データは中国科学院の劉少創氏が測定したもので、青海省玉樹チベット族自治州ザドイ(雑多)県に位置する標高5200メートルの吉富山を瀾滄江の源とし、瀾滄江─メコン川の長さを4909キロとしている。

水源から流れ出したこの美しい川は、チベット自治区のチャムド(昌都)地区を流れてゆく。チャムドはチベット語で、「多数の水が合流するところ」を意味する。源から流れてくるもっとも大きな2つの支流、ザチュ川とゴムチュ(昂曲)川がここで合流し、これ以降の大河が瀾滄江と呼ばれるようになった。  チベット族の人々がここを聖地と見なすのは、川が合流していること、そして川辺にあるチャンバリン(強巴林)寺の存在のためである。雄大な寺院を目の当たりにすると、高僧たちがこの地を選んだ比類なき巧みさに感嘆せずにはいられない。寺は横断山脈の中に位置し、古い氷河が形成する切り立った赤土層の上にそびえ立っている。  チベット仏教ゲルク(格魯)派の創始者であるツォンカパ(宗喀巴)は、16歳のときに仏教を学ぶ途中でここを経由し、この美しい土地はやがて仏法を発揚する地となるだろう、と予言したという。その後の1444年、ツォンカパの弟子のシヤォサンポ(西饒桑布)が8年がかりでこの寺を建てた。寺の入り口に立つと、チャムド鎮の全貌、さらにはザチュ川とゴムチュ川が寺の下の山の麓で合流する様子が見える。

瀾滄江─メコン川流域では、水源についての語りにはそれなりに深い意味がある。

 

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