青蔵鉄道(青海チベット鉄道)が開通した2006年の「大ブレイク」から、2008年の「3.14事件(ラサ動乱事件)」後の惨憺(さんたん)たる状況まで、悲哀こもごもをあまねく経験してきたチベット観光業はこの1年、盛り返しを見せている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
統計データによると、2008年にチベットが受け入れた国内外観光客は、「3.14事件」の影響を受け、前年比44.2%減の延べ224万6400人にとどまった。うち外国人観光客は81.4%、国内観光客は40.5%それぞれ減少した。観光総収入は同比53.4%減の22億5900万元。
国家観光局は、2008年冬にチベット旅行の復活を宣言、チベットは史上最大規模の観光による市場救済作戦をスタートさせた。旅行主管部門が音頭を取り、旅行会社、ホテル、観光地、航空会社が一致協力してチベット特選旅行シリーズの値下げを断行、ツアー価格は平均50%下がった。
「チベットの江南」と称される林芝地区は2008年9月、他に先駆け値下げを発表、同地区の全観光地の入場料を半額にした。ラサ市観光局もこれにすぐさま続き、ポタラ宮の入場料を100元のオフシーズン料金とした以外は、他の観光名所の入場料を一律半額に値下げした。
チベットの各ホテルは続々、冬季オフシーズン客室料金をオファー、冬季の値下げキャンペーンに加わった。ラサ市の渉外ホテル・新鼎酒店によると、同ホテルの客室料金は約60%下がったという。
また、 旅行会社は航空会社とタイアップし、「食べる」「泊まる」「遊ぶ」がセットになったパック旅行商品シリーズを打ち出した。航空会社がこの新商品で航空券代金を50%割引したことは、割引がこれまでほぼ皆無だったチベット路線で全く画期的なことと言える。
広範囲での支援策によって、チベット観光業は2008年冬、復活した。同年11月に林芝地区が受け入れた国内外観光客は、前年同期比4.8%増の延べ2万4千人。チベット観光の再開以来、観光客数が前年同期比初めてプラスに転じた。
チベット観光業復活の兆しは、今年に入ってますます顕著になった。中でも、外国人観光客数は増加の一途をたどっている。1-5月に受け入れた国内外観光客は、前年同期比190%の延べ72万人。うち外国人観光者は同比280%増の延べ2万人、観光外貨収入は同比270%増の1203万ドルに達した。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年6月29日