7月30日、観光への投資促進が増加していることと、政府による新優遇政策の発表があったことから、観光関連銘柄が独歩高となった。大引け時に観光銘柄は2.17ポイント上昇。13社が値を上げたが、そのうち雲南旅游と長城山はストップ高となった。
中国観光研究院の研究員である楊宏浩氏は取材に対し、「観光業はすそ野が広く、経済構造の変化をもたらす産業だ。消費を促し、就業問題の解決に一役をかってくれる。とはいえ、これまで観光系企業の間接融資や直接融資は相対的に困難だった。確かにこの数年、旅行サイト企業が人気の投資先だった。しかし伝統的観光系企業の融資は難しかった」と分析する。
同氏によると、今年5月末における観光を主とする上場企業52社のうち、国内に上場するのは36社。この36社を合わせた市場価値は、上海と深圳の全ての上場企業の市場価値の100分の1以下に過ぎないと指摘する。観光産業が中国経済に占める割合や地位の割には、観光系企業が新規上場するチャンスが少ない。これに対し、中国政府は現在、資産証券化を奨励している最中なことから、ホテルと観光地の資産証券化も資金調達の重要な手段となるとの見方を示す。
専門家によれば、観光産業の発展には政府の支援が必要なのと同様、金融機関の助けも必要だと指摘する。中国経済にとって重要な産業として、観光産業の発展は消極的なものから積極的なものに変えていく必要がある。脇役から主役へ、分散から集中へ向かうべきだと指摘している。
中国人民大学財金学院の副院長である張錫軍氏は取材に対し、「観光産業は自身の特徴に基づき戦略を考えていくべきであり、特徴と価値のあるプロジェクトを策定し、資金の必要性を明らかにするべきだ。そうしないと金融機関も首をたてに振らない。企業自身がはっきりと分からないのに、どうして金融機関が資金を提供するだろうか」と述べる。
資金のチャネルをいかに増やしていくかという問題に対し、中国国際経済交流センターの諮問研究部の副部長である王軍氏は、「融資面でいえば、観光産業は他の企業と大きな違いがある。観光産業で土地や設備などの担保がある企業は少ない。大多数の企業資産は無形資産に属するため、担保での融資がしにくいのだ。だから金融機関は観光産業に対し、信用融資や債券の発行のを一定程度許容するべきだ」と提言する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年8月1日