1ヶ月以上に渡る水中捜索作業により、国家文物局が発足した丹東1号水中考古調査チームは、100点以上の文化財を引き揚げた。そのうち磁器の破片は、丹東1号の謎を解く確かな証拠となった。
水中考古調査船「中国考古01号」の文化財保管室には、円形の磁器が置かれていた。その中央には、繁体字で「致遠」と書かれていた。考古調査チームのリーダーの周春水氏によると、「致遠艦」と「靖遠艦」は姉妹艦で、英国企業が設計・建造した。船内で使用された食器も、すべて特製のものだった。そのうち靖遠艦で使用されていた食器は、中国人民革命軍事博物館に収蔵されており、皿の中央部分には艦名の「靖遠」が記されていた。今回の水中捜索作業で見つかった磁器の中央にも、同じ字体の「致遠」が記されていたことから、この沈没船が致遠艦であることの揺るぎなき証拠となった。