15日、南昌市にある前漢海昏侯墓の主棺にあった内棺が全体を梱包され、文物保護施設に送られた。海昏侯墓の考古学発掘作業は、実験室調査の段階に入った。専門家によると、内棺は16日に文物保護施設の低酸素実験室で1週間かけて調査されるという。
現在、海昏侯墓の棺は文物保護施設の6号庫内に運ばれている。江西省文物考古研究所の王季華党委書記によると、棺の開封と後期処理の作業がここで行われるという。6号庫内には全方向カメラが設置され、全方位監視が可能となっている。また、国内初となる低酸素実験室での考古発掘作業が行われている。
江西省考古研究所の所長である徐長青氏は、16日に主棺の開封が行われるが、墓主が誰かについてすぐには発表できないと述べる。「主棺の開封後すぐに発表はできない。権威筋からの統一発表まで我慢してお待ちいただきたい」。
これまで海昏侯墓で出土された2万件あまりの文物は、すでに緊急保護作業を終えている。そのうち、最も注目された竹筒木札も補強が終わり、今後は剥離作業を始める予定である。その後は内棺浄化作業が、その他出土文物保護研究作業と同時に行われる。墓の主人が漢の廃帝であるか否かについては、最速で3月に明らかになるだろう。
南昌市前漢海昏侯墓園は、これまで発見された中で最も保存や構造が良く、機能の分布や祭祀体系が非常に明確な前漢諸侯墓園である。考古学研究者によると、長沙の馬王堆漢墓などとともに、12日に中国社会科学院主催で開催された「2015年中国6大考古学新発見」の1つに選出された。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月24日