中国人観光客が購入する高級品の量は、世界各国を上回っている。しかし中国人客の支出は、先月大きく減少した。これは欧州で発生したテロ事件が一つの原因となっている。米ビジネスニュースサイト「クオーツ」が21日、伝えた。
コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーによると、中国人は世界の高級品の31%を購入している。彼らが海外で購入する商品のうち、高級品が8割を占める。中国では為替や関税の影響により、これがの商品は割高だ。観光客にとって、欧州は「世界最大の新製品激安店」になっている。
欧州の高級品ブランドの売上の多くは、中国人頼みだ。しかし付加価値税の還付業務を手掛けるグローバルブルーが発表した最新の報告書によると、中国人客の支出は先月大きく減少した。これは欧州で発生したテロ事件が一つの原因となっている。プラダ、バーバリー、ルイ・ヴィトン、フェンディなどの企業とその他の高級ブランドにとって、これは売上に影響を及ぼす可能性がある。特に中国大陸の高級品市場が縮小を続けている。
グローバルブルーによると、中国人の3月の高級品支出は、前年同月比で24%と激減した。2月は5%増、3月は11%増。
2015年3月は売上が特に好調で、122%増となった。これは中国の旧暦の正月による影響だ。しかし中国人は、ブリュッセルとパリのテロ事件に驚いている。グローバルブルーが5000人の中国人客を対象に実施した調査によると、「安全」を旅行目的地の判断材料にするとした人は56%に達した。プラダとルイ・ヴィトンは、テロ事件が業績に影響を及ぼしていると報告した。エルメスは、テロが今後1年に渡り、売上に悪影響を及ぼす恐れがあるとした。
テロにより業績が最も冷え込む時期は、今年第1四半期の時点で終わったとする見方もある。グローバルブルーは、中国人の海外旅行がピークを迎えるのは5月と予想している。欧州、韓国、日本を含む上位の目的地は、中国人が熱心に買物をする人気目的地となっている。日本では中国人の買い物の意欲を形容する、「爆買い」という言葉が生まれた。グローバルブルーによると、中国人客は1度の欧州旅行で平均2万6000元弱(約4000ドル)、1度のアジア旅行で1万8000元以上(約2780元)消費するという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月22日