このほど開催された中央経済工作会議において、「スピード、質、効率の調和、消費、投資、輸出の調和、人口、資源、環境の調和」という3つの調和が2007年の経済活動で強調されることになった。
国家統計局のデータによると、今年第1~第3四半期の中国の第2次産業増加額のGDPに占める割合が前年比1.2ポイント上昇の49.8%となり、第3次産業の増加額は同0.6ポイント低下の39.2%となった。経済成長はますます資源多消費、汚染物質排出の多い第2次産業に依存しており、高付加価値、エネルギー資源消費の少ない第3次産業の発展は停滞傾向となっている。
消費、投資および輸出を見ると、アンバランスが際立つ。中国人民銀行(中央銀行)の蘇寧副行長(副頭取)は、「現在、最終消費のGDPに占める割合はすでに史上最低レベルに下がっている。経済成長は投資に過度に依存しており、国内の消費需要不足の問題が深刻化しつつある」と指摘している。今年第1~第3四半期の中国の最終消費のGDPに占める割合は51.1%にとどまり、前世紀80年代は62%であった。
輸出の状況から見ると、国際収支のアンバランスの矛盾が激化する一方である。税関総署のデータによると、今年1~11月期の中国の貿易黒字は前年同期比660億ドル増の1570億ドルに達し、中国の貿易政策、為替政策の実施においてプレッシャーが増大している。
人口、資源、環境の面から見ても、状況が深刻なものである。国家統計局の最新の調査結果では、中国の65歳以上(65歳を含む)の老年人口はすでに1億を上回り、人口構造に急激な高齢化が進んでおり、国全体の年間単位GDPあたりエネルギー消費量(原単位)にいくらかの低下が見られるものの、エネルギー消費削減、エネルギー利用効率向上の目標を達成する上ではなお課題が多く、主要汚染物質の排出量も上昇しつつある。
「調和の取れた発展は、国民経済の急速発展の必要条件であると同時に、経済の持続可能かつ健全な発展の基礎であり、経済社会の調和の取れた発展の客観的な要請でもある」、と国家発展改革委員会の馬凱主任は語っている。
産業構造調整に力を入れ、自主的創造能力の向上を加速させることは、来年の中国の経済発展のペース、質、効率などの面の調和を図る上での主な取り組みである。中国はサービス業発展を重点とし、一部生産能力過剰業種の構造調整を引き続き推進し、ハイテク産業の核心競争力を強め、設備製造業を振興させ、国の中長期科学技術発展計画要綱関連政策、ハイテク・情報化・バイオ産業など「第11次五カ年計画」の重要な特定プロジェクトを実施する。
中国は、投資の調整、消費の促進、国際収支の均衡を図ることを来年の重点としている。中国は引き続き投資をコントロールし、都市部と農村部住民の収入増を図り、低収入層の収入増と消費力の向上に力を入れ、住民の消費力を拡大し、対外貿易の成長モデルの転換を加速させ、輸出と外資利用の合理的なの伸びを保ちつつ、積極的に輸出を拡大する。
中国はまた、省エネとエネルギー消費量の削減を切り口に、日増しに増大している人口と資源、環境間の矛盾の解決にさらに強力な措置を取る。科学的な省エネ・エネルギー消費量の削減・廃棄物排出量の削減指標システム、評価システムおよびモニタリングシステムの構築を加速させ、鉄鋼など重点業種のエネルギー消費削減に力を入れ、エネルギー消費をプロジェクト審査時の拘束性指標にし、汚染の予防・対策を強化し、都市部の汚水・ごみ処理能力を高め、全面的にクリーン生産を推進する。
「チャイナネット」2006年12月18日