「アースデイ(地球の日)」である4月22日、北米や欧州地区に居住する華人らによる、世界華人アースデイ・キャンペーンが行われた。これは華人の団体による、サメやクロクマなどといった絶滅の恐れのある野生動物の保護を呼び掛けるキャンペーンであり、「フカヒレ反対」のスローガンを世界に発信したものである。
高級食材「フカヒレ」、その人気とどまる所を知らず
フカヒレは中華料理の中でも特に重宝される食材である。結婚式などの目出度い席において多くもてなされる料理の食材だ。タイ・バンコクにある中華街では、フカヒレを専門に扱うレストランがずらっと並んでおり、どの店も大繁盛している。タイの華人にとって、フカヒレは高級かつ栄養に富む食材なのである。
ある米メディアの報道によると、カリフォルニア州南部にある華人人口が多い街では、ほぼすべての漢方材料販売店にフカヒレがディスプレイされている。取扱品種数は数十種類にもおよび、価格も安いものでは100米ドル/ポンドから、高いものでは500~600米ドル/ポンドと幅広く取りそろえている。
といっても、フカヒレにそれほどの価値があるかというとそうではないようだ。高価な割に、水銀を多く含むなど身体にとって決してよくはない。医学的にも「妊婦や小児は食用を避けること」とされている。
フカヒレ漁によるサメの激減
米カリフォルニア州科学館で海洋研究を行なっているマイケル氏は十数年間、食用とされるサメのヒレについて研究を行なっている。マイケル氏によると、世界規模によるフカヒレ人気により、サメの乱獲が行われ、サメの生息数は大幅に減少している。大西洋北西部に生息するヨシキリサメの数は、この15年間で89%減と激減している。フカヒレの食用を減らすことが、サメを保護する第一の方法なのである。
この度の世界華人アースデイ・キャンペーンは、米国華人全国委員会、国際中国環境基金会、全米中文学校協会、ロンドン慈済慈善事業基金会などの組織による共催である。「野生動物に対する保護と関心」をテーマに掲げ、中華料理で珍味とされ世界で乱獲されている、サメおよびクロクマの2種の保護を呼び掛けている。また、世界各地の中国語メディアによる、サメおよびクロクマの保護を呼び掛ける公開レターを通じて、署名運動を展開している。
立法によるサメの保護
ワシントンに本部を置くNGOオーシャン・コンサーバンシーのレポートによると、サメのヒレを採取するために、年間約8,900万匹のサメが捕獲されているという。サメの体ではヒレが最も価値があり、美味しくないサメ肉はあまり価値がない。そのため、体の1~5%の比重であるヒレだけが船上で切り取られ、胴体は海に投げ戻される場合が多い。だが、ヒレを取られたサメは、そのまま海中で死を迎えるしかない。
これまで、フカヒレの食用禁止の立法化を請願する華人もいた。米ハワイ州ではサメ種の保護を目的とし、2011年7月1日より、一般の機構や個人が、フカヒレを保有および販売することを禁止する法令を発布している。なお、フカヒレの保有あるいは販売を禁止する法令を出されたのは、ハワイ州が米国では初めてとなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月28日