中日首脳会談の意義、日本に過大評価される

japanese.china.org.cn, September 23, 2014
 

日本メディアの報道によると、日中経済協会は中日両国の首脳会談の布石とするため、200人以上の「史上最大規模」の代表団を22-27日にかけて中国に派遣する。APEC首脳会議は11月に北京で開かれる予定で、安倍首相は習近平国家主席との会談実現を、現在の重要な外交目標としている。日本は、両国の首脳会談は中日関係改善の鍵となると強調し、ボールは中国側にあると人々に信じさせようとしている。「環球時報」が伝えた。

両国の首脳会談を促そうとする日本経済界は、前向きな考えを持っているのだろう。しかし、いわゆる「首脳会談は中日関係好転の鍵」という説が嘘であることは明らかだ。安倍政権は強硬な対中政策と、中日が正常な高官の交流を行えないことの因果関係を履き違えている。

中日首脳が会談をするかは、両国関係の最も重要な鍵ではない。安倍首相は輿論の注意をこの懸念に向けさせ、自分自身の中日関係を損ねる行為、靖国参拝や対中戦線の構築などの悪どい行為を受け入れさせることを、中日関係の新たなスタートラインにしようとしている。安倍首相はさらに自分を中日関係正常化の推進者に見せかけており、現在まで会談の要請に応じようとしない中国に、中日関係の膠着の責任を押し付けようとしている。

中日関係の好転で鍵となるのは、安倍政権が挑発的な対中政策を改め、中日の対立を解決・管理できる規則を制定する誠意を見せることだ。安倍首相は裏表のある手法を弄し、中日関係改善を口にしながら、中国対抗を率先して行っている。

事実をそのまま論じれば、中日の冷え込んだ関係を直ちに好転させることは難しい。安倍首相が政権運営を続ければ、両国関係の構造はこのようになるだろう。中日は落ち着きを保ち、両国社会をこの「冷戦」よりはましな「冷たい平和」に慣れさせ、両国関係の新たな安定を維持するしかないだろう。

安倍政権が率いる日本は、中国の友人にはなれない。それならば両国は安心して、友人ではない近所付き合いをすればよい。この状態を一定期間続け、両国社会が見直しを進め相手国を再認識するため時間を残し、中日が新たな友好に向け希望を蓄積できるようにするのだ。

冷たい平和を維持し、両国を冷戦に向かわせず、軍事衝突を発生させないようにする。そのために両国は釣魚島を巡り、各自の法執行力の行為規則に関する黙契を形成し、特に両国軍機の衝突を防がなければならない。

両国の経済協力と人の行き来は双方に利益をもたらす。両国政府は、これを奨励し続けるべきだ。両国社会は、政治的な冷え込みが経済・文化交流に影響を及ぼすことを極力回避する必要性を認めている。今年以来、日本を訪れる中国人観光客数は、前年比で80%以上増えている。これは良い注釈だ。この認識を持ちながら、両国の経済交流がやや低迷したならば、両国はこれに適応し、この犠牲を受け入れれば良い。

冷たい平和は「悪い」中日関係を意味するとは限らない。これは中日関係の急激な変動を回避する、現実的で安定的な手段だ。これは両国社会の相手国の友好への期待を効果的に減らし、両国の問題と食い違いに対する許容力を拡大する。中日は「徹底的な冷え込み」の過程を経てから、両国が友好的な隣国になる可能性を新たに模索するべきなのかもしれない。

現在の両国には、「氷を破る」に向けた真の動機が少なく、口で唱えるに留まっている。それならばまだ、冷たい平和の信頼性の維持に力を注いだ方が良いだろう。両国が最も回避すべきことは、関係を改善できないことに憤り、敵同士となることだ。中国は国際事業で忙しく、日本の相手をしている暇はない。一方で、日本は中国に噛み付いている。日本の圧倒的多数の外交活動は中国の注意を引きつけ、中国に日本との対立を処理させることを目的にしている。中日関係のさらなる悪化の防止は、安倍首相が一歩手前で踏みとどまれるかにかかっている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月23日