日中貿易は水平分業へ
中国企業や対中進出した外資系企業の対日輸出、対日輸入が増えつつありますが、これも日中貿易の新たな視点でしょう。例えば、中国民営自動車企業は、自社ブランド車を輸出しております。中国製車は、日本にはまだ商業ベースでは輸出されていませんが、車に限らず、中国企業の技術水準、海外市場開拓の意欲は着実に向上しています。加えて、中国政府が中国ブランド製品の輸出や中国企業の海外展開を国家戦略として積極的に支援していることから、今後、高品質・高技術の中国製品の対日輸出が増え、日中間貿易は水平分業化してくると思います。
昨年、ジェトロが青島で開催した「日中韓産業交流会」に参加した日本企業の多くが、「中国に進出している韓国系企業とのビジネスの可能性が出てきた」としていることなどから、今後、日本企業と対中進出した外資系企業とのビジネスも拡大するでしょう。中国での売り先や中国からの輸入製品に幅が出てきたことは、対中進出済み日系企業2万社以外にも、日中貿易に影響する新たな予備軍が出現しつつあるということです。
表1 2006年の日中貿易
(出所:日本貿易振興機構)
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金額(前年比)
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主要品目
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輸出入総額
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2,113.0億ドル(11.5%増)
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輸出額
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928.8億ドル(21.3%増)
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電子部品、鉄鋼、有機化合物、プラスチック、化学工学機器、自動車部分品 |
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輸入額
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1,184.2億ドル(8.5%増)
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衣類・同部品、事務用機器、科学光学機器、家具、半導体等電子部品、野菜 |
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貿易収支
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△255.4億ドル
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