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10月のCPIが急上昇した原因は?
発信時間: 2007-11-14 | チャイナネット

国家統計局が13日発表したデータによると、今年10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月に比べて6.5%上昇した。地域別にみると、都市部では6.1%、農村部では7.2%の上昇だった。品目別にみると、食品類価格は17.6%、非食品類価格は1.1%、消費財類価格は7.8%、サービス類価格は2.3%それぞれ上昇した。前月との比較では0.3%上昇し、1~10月の累計では前年同期比4.4%上昇した。

10月のCPIには過去数カ月間と似た3つの特徴が現れた。(1)農村部の上昇率が都市部を上回った(2)食品類の伸びが非食品類を上回った(3)消費財類の伸びがサービス類を上回った――の3点だ。

専門家の分析によると、10月のCPI急上昇の主な原因として、季節の変わりで野菜の価格が急速に上昇したこと、秋になり豚肉の消費量が急増し価格が跳ね上がったことが挙げられるという。

国は2003年以来4年連続で物価の安定を基本的に達成したが、今年はCPIが急上昇傾向にある。特に3月以降、CPI上昇率は8カ月連続で3%の警戒ラインを超え、8月は6.5%に達して10年ぶりに記録を更新した。9月には上昇率が鈍化したが、10月に入り再び急上昇した。

ある専門家は、今回の物価上昇には国内・海外のさまざまな要素が絡み合っていると指摘する。第一に、国際原油価格の大幅な上昇が消費価格の上昇をもたらしている。第二に、国際穀物価格の全体的な値上がりが、食品価格の上昇をもたらしている。第三に、国内には価格の構造的な上昇傾向が存在する。現在は主に豚肉、食用油などの価格上昇がそれ以外の食品の価格を押し上げているという。

国家統計局の姚景源チーフエコノミストによると、CPIはインフレを反映する重要な指標の一つだが、現在の食品類価格の上昇は主に構造的な上昇傾向によるものだ。同局がまとめた8つの商品類目の価格統計によると、ここ数カ月は5類目が上昇し、3類目が低下している。食品類を除けばその他の類目は上昇率がそれほど高くなく、全面的な価格上昇の局面にはなっていない。インフレの主要な指標の一つは物価の全面的な上昇だ。こうした角度からCPIを分析すると、中国はなお安全圏にあり、全面的なインフレには突入していないといえる。

姚チーフエコノミストによると、経済運営には一定の周期があり、CPIを短期間に大幅に低下させることは現実的でない。国が物価の基本的安定を維持するために行う各種措置が徐々に効果を現していることや、昨年11~12月のCPI数値が高かったことなどを考えると、今年11~12月のCPI上昇率は高水準にはなるが、前年と比較した上昇率はそれほど高くないことが予想される。

「人民網日本語版」2007年11月14日

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