(2)マクロ調整によるリスク
国は今後、支出・税制・国債・財政補助・移転支出など財政政策ツールを総合的に運用し、預金準備率・為替レート・金利など貨幣政策ツールと組み合わせ、調整をいっそう強めていく方針だ。長い目で見ると、マクロ調整の強化・改善は、商業銀行の健全な発展に有益となる。しかし当面の間は、銀行が直面するリスクは増大する可能性がある。貨幣政策の引き締めによって銀行の金利リスクや流動性リスクが増大し、財政政策の調整によって銀行の信用リスクが増大するためだ。
(3)「両高一資」業界のリスク
「両高一資(高エネルギー消費・高汚染・資源消費)」業界のリスクも十分に注意しなければならない。これらの業界に対する銀行の貸付資産状況は今のところ全体的に良好だが、これは主に、資源価格と環境コストの不正な設定と、市場の強いニーズに支えられた一時的なものにすぎない。国内の資源価格システム完備が着実に進み、環境保護基準および産業参入基準がいっそう厳しくなるにつれて、これらの業界の売り上げは落ち込むだろう。そうすれば、これらの業界に対する信用貸付資産の安全にも、かなり大きな不確定要素が出てくる。銀行は「両高一資」業界に対する融資をさらに抑え、「グリーン融資」を前向きに押し進め、エコ社会の建設に貢献すべきだ。
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