7元突破、専門家の見方は？

アジア開発銀行駐中国事務所の荘健・高級エコノミストは「人民元レートの7元の大台突破には主として象徴的な意味があり、一連の心理的作用をもたらすことになる。人民元の対米ドルレートはずっと上昇を続けており、7元を突破しても人民元上昇ペースの加速や鈍化を示すものではない」と話す。

荘氏によると、人民元が緩やかな上昇を維持しているが、ホットマネーの利益獲得には限界がある。人民元対ドルレートの上昇により、中国の貿易黒字を適宜減少させ、中国経済のバランスの取れた成長を助け、対外貿易摩擦を軽減させることができる。

中国社会科学院（社会科学アカデミー）経済研究所宏観経済学（マクロ経済学）研究室の張暁晶主任は「ある時期以降、人民元の上昇ペースが速まったため、7元の大台突破はすでに想定の範囲内だった。あるポイントを突破すると、株式市場と同様、人々に一定の心理的な影響を与えるが、経済全体の中の各方面に対して7元突破が実質的な意味をもっているとは思わない」と話す。

張主任によると、人民元上昇の主な要因として次の3点が挙げられる。第一に、過去30年間、中国経済は非常に大きな成果を上げ、労働生産効率が大幅に向上した。これが人民元上昇の最も基本的な要因だ。第二に、これまで長年にわたって、中国は大量の貿易黒字と大量の外貨準備を蓄積してきた。これも人民元上昇をもたらした重要な要因だ。第三に、最近の人民元上昇には一定の受動的な要因があると考えられる。特に米ドルの大幅下落も人民元上昇をもたらした主要因の一つだ。