利益を受けるのは？

人民元上昇と株式市場とはどのような関係にあるだろうか。昨年10月までは、ほとんどの投資家が本位貨幣の上昇が強気市場を形成したとみていたが、その後わずか6カ月で上海証券取引所の総合指数は約43％も下落した。現在はまだ強気市場なのだろうか。

人民元レートが7元の大台を突破したことにより、資金面と一部のボードの面でA株への投資チャンスがもたらされる。新東風資訊の李軍アナリストによると、第一に国際資金の流入はA株に高い流動性をもたらす。第二に不動産資産や金融資産などの資産価値上昇を推進し、関連業界に投資チャンスをもたらす。同時に、米ドル債務の保有率が高い航空、製紙などの業界と輸入業務の割合が多い上場企業は、いずれも7元突破から利益を受ける。このため長期的にみれば、人民元上昇は企業の質を根本的に高め、A株市場の緩やかで健全な発展を助けるものとなる。

中国社会科学院経済研究所宏観経済学研究室の張暁晶主任は、人民元の今後の発展について次のように話す。人民元はなお引き続き上昇する、特に米国の低所得者向け（サブプライム）ローンの焦げ付き問題を受けて、米ドルが急激に下落したため、米ドルへの信頼が確実に低下していることが背景にある。人民元の上昇率が加速し続けることは望ましくない。実際には人民元がある程度まで上昇すれば調整が必要になる。こうした調整は世界経済の全体的な局面に基づくものであり、私たちが現在直面する経済の不確実性に対する調整もここに含まれる。人民元が引き続き大幅に上昇すれば、中国の長期的な成長、たとえば国際競争力の強化などに損害をもたらすことになる。人民元の上昇率は5％程度が適切ではないかと考える。

「人民網日本語版」2008年4月15日