世界知的所有権機関(WIPO)事務局次長のフランシス・ガリー氏は21日上海で開催された「2008年中国知的財産権ハイレベルフォーラム」の席上、現在、知的財産権における国際協力は、需要、地域、調整と融合、政策、発展と尊重、知財権法律システムの構築といった6大課題に直面していると語った。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
「経済管理の面から、知財権への需要はますます高まっている」と同氏は述べ、需要の拡大が全世界の知財権関連機関にとって巨大な圧力となっており、知財権の重複出願がその大部分を占めているとした。中国国家知識産権(知的財産権)局の張勤・副局長によると、昨年1年間だけでも、中国が受理した特許出願件数は69万4千件に上り、前年比21.1%の伸びをみせている。ガリー氏は、「いかに重複する業務を減らし、膨大な量の出願案件を処理することは、国際協力における最重要課題だ」と語っている。
同氏は第2の課題として、急速に変化しつつある知財権の地域分布を挙げている。10年前、世界には米国、EU、日本の三大特許出願地域が存在したが、現在では日本、中国、米国、韓国、EUが世界の五大出願地域となり、大きな変貌を遂げた。
さらに同氏は、全世界で統一された知財権保護法律システム構築の可能性、政治的見地からいかに知財権保護管理を改善していくか、いかに知財権保護システムを発展させてゆくか、そしてより多くの発展途上国を知財権保護活動に協力を仰いでゆくことこそ、知財権保護の国際協力における重要課題だと指摘する。同氏は、「中国は世界の知財権保護における核心国家であるのみならず、今後非常に重要な役割を担うことになろう」と語っている。
「人民網日本語版」2008年4月22日 |