――中国経済への影響は全体的なものか、それとも局部的なものにとどまるか。
中国社会科学院金融研究所 易憲容研究員
中央政府による最高2千億元の投資は、四川省に極めて大きな変化をもたらすとみられる。今年の国内総生産(GDP)は30兆元に達する見込みで、その中で2千億元という数字は小さいものだ。現在の情勢からみて、地震は現地経済に壊滅的な打撃を与えている。私たちは地震による多大な損失に関心を払うだけでなく、大事なことは地震で亡くなった人の価値をどう考えるかということだ。経済発展の目的は何かということは明白だ。それは高いGDP成長率の達成にあるのではなく、人々の生活レベルが効果的に向上することであり、人の価値をより重視することが大切だ。ここ数年来、経済は絶え間なく発展したが、実際の生活レベルが明らかに低下した人もいる。ここ数年の不動産価格の爆発的な上昇により住宅購入が困難になったことがいい例だ。
現在政府が進めているさまざまな取り組みをみると、このたびの地震は新たな経済成長の起点になる可能性がある。なぜなら地震により民族的精神が集結したからだ。民族的精神が民族の創造力を刺激するそのはたらきは計り知れないもので、もしも政府がこの点を認識して、適切な政策調整を行って各方面の利益をはかれば、今後の経済発展の中で個々人の価値が体現され、中国経済に新たな成長周期が訪れる可能性がある。
「人民網日本語版」2008年5月22日 |