上海市保険協会の関係者は、雪害や地震など大きな災害の発生により、国民の保険に対する意識が高まったものの、「低掛金・高保証」戦略は保険会社の収益と持続的な発展を圧迫しかねないと保険業界の先行きを危惧する。成熟した保険市場では通常、大きな災害の後に保険の掛け金率を引き上げ、その後の数年間で保険会社はより多くの保証された収益が見込める。
しかし、中国の市場ではこういった状況が見当たらない。特に、損害保険市場では悪質な競争が激化しており、災害後に保険の掛け金を引き上げると、顧客の獲得が難しくなるというのが現状だ。国内の保険業界の中には、追加条項などを加える悪質な競争が一般化しており、相互の価格競争が保険の掛け金率引き上げを非常に難しくしている。
いわゆる「追加条項」とは、掛け金率が変化しないのを前提に、顧客に保険の内容をサービスで追加することを指す。保険会社が「低価格」戦略で業務を獲得すれば、リスクを分散するための海外での再保険は難しくなる。最も直接的に影響するのは、国内の保険会社が現価格のままでは海外の保険会社に再保険をすることができず、仕方なくアンダーライティングを広げるか、保険の引き受けを放棄するしかないということだ。このような状況で一旦、事故が発生すると、すべての関係者に悪影響をもたらすことになる。「新聞晩報」が伝えた。
「人民網日本語版」2008年6月5日 |