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中国各地で最低給与基準引き上げ 専門家の見方
発信時間: 2008-06-12 | チャイナネット

当今の物価急上昇に直面して、北京市労働・社会保障局は10日に市内企業の給与指導ラインを発表し、基準ラインを11.5%増加とし、上限ライン(警戒ライン)を16.5%増加、下限ラインを3.5%増加と定めた。これに先だって広東省深セン市は7月1日から、市内の2008年度最低給与額を引き上げ、経済特区以外の地域では前年比20%の引き上げを標準とすることを決定した。また上海市は3月に最低給与額を840元から14.2%引き上げて960元としている。各地方政府が打ち出した給与上昇率の基準値は、消費者物価指数(CPI)の上昇率を上回るケースが多い。「上海証券報」が伝えた。

各地方で給与所得額の上昇率がCPI上昇率を上回ったことにより、物価上昇によって給与が上昇し、給与上昇によってさらに物価が上昇するというループ状の上昇局面に突入する可能性はないだろうか。聯合証券研究所の高開宇さんは「収入格差が拡大したため、低所得層はインフレを見越して当面の基本的消費財の消費を増やしている。

農村の消費財小売総額の増加率が引き続き都市部を上回ったことがそのいい例だ。だが社会消費財小売総額の増加率をCPI上昇率と比べると、ニーズがCPIを牽引しているとは証明できず、給与の伸びがCPIを押し上げることはないと考えられる」と話す。

江南証券金融研究所の魏鳳春さんによると、現在、省エネ・汚染物資排出削減、増税、金利引き上げ、給与引き上げ、専利(特許、実用新案、意匠)にかかる経費、土地の資本化といった企業利益に影響するさまざまな要因があり、コストによる物価上昇プロセスにおいて、給与はごく一部の役割を担うに過ぎない。給与上昇は企業の製品価格上昇をはっきりと決定づけるものではない。

また魏さんは「中国には悪性のインフレは出現しない。インフレは一つの通貨現象に過ぎず、ホットマネーの中国への流入メカニズムが消滅すれば、インフレ圧力はデフレに変わる可能性すらある」と話す。

「人民網日本語版」2008年6月12日

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